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アセットアロケーションの基本と実例|株式・債券・ゴールドで分散する長期投資戦略

By Staff | 2025-08-21

Category: インデックス投資

アセットアロケーションとは、資産を株式・債券・現金・コモディティなどに分散して配分する投資手法です。

 

投資の世界では「資産配分が最終的なリターンの8割を決める」とも言われ、どのETFを選ぶか以上に重要な要素とされています。

 

個別銘柄に依存せず、全体の配分を整えることでリスクを抑えつつ安定した成長を目指せるのが特徴です。

 

株式だけに集中投資すると長期的に高いリターンが得られる可能性はある一方、暴落時の下落幅も大きくなります。

 

逆に債券のみでは安定するものの、インフレ局面ではリターン不足に悩まされやすいでしょう。

 

そこで両者を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを取ることができます。

 

株式と債券の役割

 

  • 株式:経済成長を反映し、長期的に最も高いリターンを期待できる資産。S&P500やNASDAQ100に連動するETFは代表的な選択肢です。過去30年のS&P500の平均年率リターンはおよそ9〜10%で、長期的に資産を増やす中心的存在です。

 

  • 債券:利回り収入を得ながら値動きを安定化させる資産。米国債や社債を含む総合型ETFであるBNDは、長期的に年率3〜4%前後のトータルリターンを示してきました。ここで重要なのは、債券ETFのリターンは分配金を含めて計算されるという点です。価格チャートだけを見ると横ばいに見えることがありますが、実際は毎月の分配金が積み上がり、長期では確かな収益源になります。

 

ゴールドとREITの位置づけ

 

ゴールド(GLD):インフレや金融不安時に価値を維持しやすい資産です。

 

株式や債券との相関が低いため、ポートフォリオ全体の分散効果を高める役割を果たします。

 

楽天証券やSBI証券といった主要ネット証券でもGLDを購入できるため、比較的アクセスしやすい選択肢といえます。

 

REIT(不動産投資信託):不動産の賃料収入を原資とする配当を特徴とし、インフレ局面に強い側面があります。

 

米国市場では「VNQ」が代表的なETFですが、日本の証券会社では取り扱いがないケースもあり、楽天証券でも現時点では購入できません。

 

ただし、海外証券口座(例:Interactive Brokersなど)を利用すれば、米国REITに上限なく直接投資することが可能です。

 

国内のみで完結させたい場合は、日本のREIT(J-REIT)や不動産関連ファンドを代替手段として検討する方法もあります。

 

アセットアロケーションの具体例

 

  • 株式70%・債券30%
    バランス型。株式市場の成長を取り込みつつ、債券が下落時の緩衝材となります。

 

  • 株式50%・債券40%・ゴールド10%
    安定性とインフレ耐性を兼ね備えた構成。株と債券に加えゴールドを入れることで、想定外の局面にも備えられます。

 

  • 株式80%・債券20%
    成長重視型。リスク許容度が高く、長期投資で最大限のリターンを狙う人に適しています。

 

歴史的リターンの比較

 

  • S&P500(株式):過去30年間で年率約9〜10%。
  • BND(債券):過去15年間で年率約3〜4%(分配金込み)。
  • ゴールド(GLD):過去20年間で年率約6〜7%程度。

 

株式が最も高いリターンを提供する一方、債券やゴールドはボラティリティを抑える役割を果たします。

 

特にBNDのような債券ETFは「分配金を含めてこそ正しい評価ができる」点を強調しておきたいところです。

 

長期投資で意識すべきこと

 

  • 短期的な値動きに振り回されず、平均リターンを意識する
  • 株式・債券・ゴールドを組み合わせて相関の低い資産を持つ
  • 年に1回など定期的にリバランスを実施する
  • 利用する証券会社で買えるETFの種類を事前に確認する(例:VNQは不可の場合あり)

 

FAQ(よくある質問)

 

Q1. BNDのリターンは分配金を含みますか?


はい。BNDなどの債券ETFの公式リターンは、分配金を再投資したトータルリターンとして算出されています。単に価格チャートだけを見るとリターンが低く見えますが、実際は分配金込みで年率3〜4%程度の実績があります。

 

Q2. 日本の証券会社でREIT ETF(VNQ)は買えますか?


現時点で楽天証券などではVNQの取扱はありません。代替として国内REIT ETFや他の不動産関連ファンドを活用する方法があります。

 

Q3. ゴールドは本当に必要ですか?


必ずしも必要ではありませんが、株式や債券と相関が低く、分散効果を高められる点は魅力です。特にインフレや株式急落時に資産を守る役割を果たすことがあります。

 

Q4. 株式と債券の比率はどう決めるべきですか?


一般的には「年齢=債券比率」という考え方がありますが、あくまで目安です。リスク許容度や投資期間に応じて調整するのが基本です。

 

Q5. アセットアロケーションは一度決めたら固定ですか?


いいえ。経済環境や自身のライフプランに応じて見直すことが重要です。定期的にリバランスを行い、偏りを防ぐことが長期成功につながります。

 

Tags: インデックス投資
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。