← トップ

債券インデックスと株式インデックスの相関|リスク分散とポートフォリオ戦略の実践

By Staff | 2025-08-23

Category: インデックス投資

株式と債券は、投資の世界で最も基本的な資産クラスです。

 

株式インデックスは経済成長の恩恵を受けやすく、長期的なリターンが期待できます。

 

一方で、債券インデックスは安定した利回りを提供し、市場が不安定な時期に価格が上昇するケースもあります。

 

この2つの相関関係を理解することは、効果的なリスク管理と安定した資産形成の鍵となります。

 


 

株式インデックスの特徴

 

代表的な株式インデックスには、S&P500、NASDAQ100、ダウ平均などがあります。

 

  • S&P500は米国を代表する500社の株価を反映し、米国市場のベンチマークとして広く利用されています。
  • NASDAQ100はテクノロジー企業比率が高く、成長性がある一方でボラティリティも大きめです。
  • ダウ平均は歴史が長く、保守的な投資家からも注目されています。

 

株式インデックスは過去100年以上の歴史で長期的に右肩上がりの傾向を見せていますが、その過程では大きな下落も繰り返してきました。

 


 

債券インデックスの特徴

 

債券インデックスは株式と異なり、利子収入と比較的安定した価格推移が魅力です。代表的な指数は以下の通りです。

 

  • Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index(米国総合債券インデックス)

     

  • 米国10年国債インデックス

     

特に米国債は安全資産とされ、株式市場が混乱する際に資金が流入する傾向があります。

 


 

株式と債券の相関関係とは?

 

相関とは、資産同士の値動きの関係を示す指標で、+1は完全に同じ動き、-1は逆の動きを意味します。

 

一般的に株式と債券は「逆相関」の関係にあり、株式が下落すると債券が上昇するケースが多く見られます。

 

しかし、この相関は固定的ではなく、経済状況や金融政策によって変動します。

 


 

歴史的な相関の変化

 

  • 2000年代前半:株式と債券は逆相関が強く、株式が下がると債券が上がることでリスク分散が効いていました。
  • 2008年リーマンショック:S&P500は1年間で約50%下落しましたが、米国10年国債は逆に価格が上昇し、投資家の逃避先となりました。
  • 2020年コロナショック:株式が急落した一方で、債券価格は上昇し、伝統的な分散効果が再び確認されました。
  • 2022年インフレ局面:株式と債券が同時に下落。S&P500は年間で約-19%、米国総合債券インデックスも約-13%と、両者がマイナスになる珍しい局面となりました。

 

このように相関は時代や状況によって変わり、必ずしも常に逆相関が機能するわけではありません。

 


 

相関を踏まえたポートフォリオ戦略

 

もっとも有名なのは「60:40ポートフォリオ」で、株式60%、債券40%という割合で投資する方法です。

 

  • 株式の成長性と債券の安定性を組み合わせることで、リスクを抑えながらリターンを狙える

     

  • 過去数十年にわたり、多くの投資家が採用してきた伝統的な戦略

 

ただし、2022年のように株式と債券が同時に下落する局面では、この分散効果が弱まる点に注意が必要です。

 

そのため、近年ではREITやコモディティ(金など)を加えたマルチアセット戦略も注目されています。

 


 

米国ETFを活用した具体例

 

日本からも購入可能な米国ETFを利用すれば、株式と債券の相関を踏まえた投資が実践できます。

 

  • 株式インデックス:VOO(S&P500 ETF)、QQQ(NASDAQ100 ETF)

     

  • 債券インデックス:BND(米国総合債券ETF)、AGG(総合債券ETF)

     

例えばVOOとBNDを組み合わせれば、シンプルに株式と債券のバランスを取ることができます。

 

楽天証券やSBI証券でも購入でき、為替リスクも考慮しながらポートフォリオを構築することが可能です。

 


 

注意点と限界

 

  • 相関は一定ではなく、状況によって変動するため「常に安全」とは言えない
  • 金利上昇局面では、債券の価格も下落しやすい
  • 為替変動によって円建てのリターンが変わる可能性がある

 

したがって、相関を理解した上で長期的な視点を持ち、分散投資を心がけることが重要です。

 


 

まとめ

 

株式インデックスと債券インデックスの相関を理解することは、リスク分散の基本です。

 

歴史的には逆相関が多くの場面で機能してきましたが、例外も存在します。

 

ETFを活用すれば、日本からでも簡単にこの分散戦略を実行できます。

 

大切なのは相関を「絶対視」するのではなく、あくまでリスク管理の一要素として柔軟に取り入れることです。

 


 

FAQ

 

Q: 株式と債券の相関は常にマイナスですか?


A: 常にマイナスとは限りません。インフレや金利上昇局面では、同時に下落するケースもあります。

 

Q: 相関が高まる時期にはどう対応すべきですか?


A: 株式・債券以外の資産(REITやコモディティ)を組み合わせることでリスク分散を補うのが有効です。

 

Q: 債券インデックスETFを選ぶ際のポイントは?


A: 投資対象が国債中心か、社債も含むか、デュレーション(残存期間)がどの程度かを確認することが大切です。

 

Q: 為替リスクは相関に影響しますか?


A: 相関そのものには影響しませんが、日本円建てでのリターンには為替が大きく影響します。為替ヘッジ付きETFを検討する選択肢もあります。

 

Q: 株式と債券以外の分散先はありますか?


A: 金やREIT、さらにはインフレ連動債なども分散先として有効です。

 

Tags: インデックス投資
マーケット概況
Profile Image
投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。