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DGROの特徴と魅力を徹底解説|増配ETFの実力と長期投資での活用法

By Staff | 2025-09-11

Category: 配当成長投資

米国市場には数多くの配当関連ETFがありますが、その中でも「増配」に焦点を当てているのがDGRO(iShares Core Dividend Growth ETF)です。

 

単に高配当銘柄を集めるのではなく、持続的な増配実績を持つ企業を中心に組み入れる点が特徴で、長期投資を前提とした資産形成において重要な選択肢となります。

 

DGROは2014年に設定され、ブラックロックが運用しています。

 

2025年9月時点での純資産総額は約340億ドルと規模も大きく、米国株ETFの中でも存在感を増しています。

 

経費率は0.08%と非常に低く、低コストで増配株戦略を実践できる点が強みです。

 


 

DGROの基本情報

 

  • ベンチマーク:Morningstar US Dividend Growth Index
  • 経費率:0.08%
  • 保有銘柄数:約397銘柄
  • 配当頻度:四半期ごと(年4回)
  • 12か月トレーリング利回り:約2.1%(2025年時点)

 

高配当ETFと比べると利回りは控えめですが、配当を増やし続けてきた企業に投資するため、将来的にインカムの伸びが期待できます。

 


 

過去のパフォーマンス

 

DGROの過去リターンを見ると、安定感と成長性を兼ね備えていることがわかります。2025年8月末時点の平均年率リターンは以下の通りです。

 

  • 1年:+10.1%
  • 3年:+13.8%
  • 5年:+12.8%
  • 10年:+13.1%
  • 設定来(2014年~):+11.7%

 

カレンダーイヤーの成績も確認すると、市場環境の変動を反映しつつも着実にリターンを積み重ねてきました。

 

  • 2020年:+9.5%
  • 2021年:+26.6%
  • 2022年:-7.9%
  • 2023年:+10.4%
  • 2024年:+16.6%

 

2022年のように下落局面ではマイナスリターンを避けられませんが、その後の回復も早く、長期的にはS&P500に近い水準の成果を示しています。

 


 

構成銘柄とセクター配分

 

DGROは約400銘柄を組み入れており、幅広い分散投資が実現されています。

 

上位組入銘柄には、米国市場を代表する大型企業が並びます。

 

  • Broadcom
  • Apple
  • Johnson & Johnson
  • JPMorgan Chase
  • Microsoft
  • ExxonMobil
  • Procter & Gamble

 

セクター比率を見ると、以下のようにバランスが取れています。

 

  • 金融:約20%
  • 情報技術:約18%
  • ヘルスケア:約17%
  • 生活必需品:約11%
  • 工業:約11%
  • 公益・エネルギー・通信などが残りを占める

 

この分散構成により、特定セクターへの過度な依存を抑えつつ、成長性と安定性を同時に狙える点が評価されています。

 


 

DGROのメリット

 

DGROの魅力は単に「配当が出る」点にとどまりません。

 

  • 増配企業を厳選することで、長期的にインフレに対応しやすい
  • 約400銘柄への広範な分散でリスクを軽減
  • 経費率0.08%という低コスト運用
  • 大型優良株中心で長期的な信頼性が高い

 

特に、利回りが低くても「配当の伸び」に価値を見いだす投資家にとっては有力な選択肢となります。

 


 

DGROのデメリット

 

一方で注意すべき点もあります。

 

  • 配当利回りは約2.1%とVYMやSPYDより低い
  • 成長株の比率が高いため、市場全体の下落局面では値動きが大きくなる可能性
  • 金融やITの比率が相対的に高く、セクターリスクがゼロではない

 

高配当ETFに比べると「今すぐの配当収入」は控えめですが、将来の成長を重視する投資家にとっては適合しやすい性質です。

 


 

DGROの活用法

 

DGROは以下のような投資戦略に活用できます。

 

  • 配当利回りよりも「増配トレンド」を重視する投資家のコアポートフォリオに組み込む
  • VYM(高配当)やSCHD(配当+成長重視)と組み合わせてリスク分散
  • NISAやiDeCoで長期積立を行うことで、将来的な配当収入の拡大を狙う

 

短期的な値動きに振り回されず、時間を味方につける投資法に向いています。

 


 

まとめ

 

DGROは「増配企業への投資」を軸にしたETFで、安定配当と成長性を同時に追求できる商品です。

 

利回りは控えめながら、長期的な配当成長によって将来のインカム拡大を期待でき、分散性と低コストの両面でも投資妙味があります。

 

短期的な市場の波を乗り越え、長期的に資産を育てたい投資家にとって、DGROは注目すべき選択肢となるでしょう。

 

 


 

FAQ

 

Q1. DGROの配当はどのくらいの頻度で支払われますか?


DGROは四半期ごとに配当を分配しています。つまり年4回の配当を受け取れる仕組みになっており、長期で積み立てることで安定したキャッシュフローを形成できます。

 

Q2. DGROの利回りはどの程度ですか?


2025年時点の12か月トレーリング利回りはおよそ2.1%です。VYMやSPYDと比べると低めですが、DGROは「増配実績」を重視しているため、将来の配当成長が大きな魅力となっています。

 

Q3. DGROはどんな銘柄で構成されていますか?


DGROは約400銘柄で構成されており、上位にはBroadcom、Apple、Johnson & Johnson、Microsoft、JPMorgan Chaseなど米国を代表する企業が含まれています。特定の業種に偏りすぎない分散投資ができる点が特徴です。

 

Q4. DGROのセクター比率はどうなっていますか?


金融が約20%、情報技術が18%、ヘルスケアが17%、生活必需品が11%と、複数のセクターにバランスよく配分されています。これにより、特定のセクターショックによる影響を和らげやすくなっています。

 

Q5. DGROは長期投資に適していますか?


はい、DGROは長期投資に非常に適しています。配当利回りは控えめですが、増配トレンドを持つ企業を中心に組み入れているため、インフレに負けない資産形成が期待できます。NISAやiDeCoで積み立てる選択肢としても人気があります。

 

Q6. DGROとVYMやSCHDの違いは何ですか?


VYMは「高配当」、SCHDは「増配実績+高配当」、DGROは「増配企業を幅広く組み入れる」という違いがあります。今すぐの利回りを重視するならVYM、増配+高配当のバランスを狙うならSCHD、長期的な成長重視ならDGROという棲み分けが可能です。

 

Q7. DGROのリスクは何ですか?


主なリスクは市場全体の下落局面で株価が下がる点です。また金融やITの比率が比較的高いため、金利動向やテクノロジー業界の動きに影響を受けやすい面もあります。ただし約400銘柄に分散しているため、個別株よりは安定度が高いといえます。

 

Q8. DGROをどのように活用すればよいですか?


DGROはポートフォリオの「成長と安定」を担う役割に適しています。VYMやSPYDのような高配当ETFと組み合わせて利回りを補強したり、インデックス投資と併用して長期資産形成の一部に組み込むのも効果的です。

 

Tags: 配当株
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。