
米国ETF市場の最新トレンド|2025年注目ETFと投資戦略のポイント解説
By Staff | 2025-08-23
Category: インデックス投資
米国ETF市場は世界で最も大きな規模を誇り、日々新たな商品や戦略が登場しています。
低コスト・高流動性・分散投資といったメリットから、長期投資の中心的な存在となっています。
ここでは2024〜2025年に注目された米国ETFの最新トレンドを整理し、今後の投資戦略に役立つ情報をまとめます。
米国ETF市場の現状
2024年末時点で、米国ETF市場の総運用資産額(AUM)は7兆ドルを超え、史上最高を更新しました。
特にS&P500に連動するETFであるSPY、VOO、IVVといった王道商品は依然として強い人気を誇ります。
一方で、債券ETFやテーマ型ETF、カバードコールETFといった「一歩踏み込んだ」商品への注目も高まっています。
トレンド1:低コスト競争の激化
大手運用会社であるバンガード(VOO)、ブラックロック(IVV)、ステートストリート(SPY)の間で信託報酬の引き下げ競争が続いています。
- VOO:年率0.03%
- IVV:年率0.03%
- SPY:年率0.09%
長期投資ではコストの差がリターンの差となって現れるため、この低コスト化の流れは今後も続くと見られています。
トレンド2:債券ETFの存在感拡大
2023年以降の利上げ環境を受け、債券ETFへの資金流入が増加しています。
- 短期国債ETF:SHV、BIL
- 中期国債ETF:IEF
- 長期国債ETF:TLT
金利上昇局面では短期債への投資が増える傾向があり、2024年には短期債ETFの取引量が急増しました。
株式だけでなく債券もポートフォリオに組み入れる動きが広がっています。
トレンド3:テーマ型・セクターETFの成長
AI、半導体、クリーンエネルギーといったテーマ型ETFへの注目が高まっています。
- AI関連:BOTZ、ROBO
- 半導体:SOXX、SMH
- クリーンエネルギー:ICLN、TAN
短期的な話題性に支えられて資金が流入しますが、長期パフォーマンスはテーマ選定とタイミングに左右されやすいため注意が必要です。
トレンド4:アクティブETFの台頭
従来はパッシブ型が中心だったETF市場に、アクティブ運用型ETFが増加しています。
ARK Invest(ARKKなど)に代表される高成長株特化型
PIMCOなどの債券アクティブETFも台頭
アクティブETFは透明性が高く、従来の投資信託より低コストな点が評価されていますが、パフォーマンスはファンドマネージャーの力量に依存する点に注意が必要です。
トレンド5:カバードコールETFの人気
高配当とオプション戦略を組み合わせたカバードコールETFも人気を集めています。
JEPI(JPMorgan Equity Premium Income):年利回り6〜8%程度
QYLD(Nasdaq100 Covered Call):高配当重視の投資家に人気
ただし、上昇相場ではリターンが抑制される傾向があるため、配当重視のポートフォリオに限定的に組み入れるのが一般的です。
ETFの購入に関する注意点
日本の証券会社からは米国ETFの多くにアクセスできますが、一部の商品(例:QYLD、JEPI、ARKKなど)は取り扱いがない場合があります。
こうしたETFに投資するには、海外口座(例:Interactive BrokersやFirstradeなど)を開設する必要があるケースもあるため、事前に取扱状況を確認しましょう。
まとめ
米国ETF市場は年々多様化が進んでおり、低コストの王道インデックスETFに加えて、債券ETF、テーマ型ETF、アクティブETF、カバードコールETFといった商品が投資家の選択肢を広げています。
重要なのは「流行を追うだけでなく、自分の投資目的とリスク許容度に合ったETFを選ぶ」ことです。
長期的な資産形成では、基本を押さえつつも適切な分散と戦略的な商品選定が求められます。
FAQ
Q1. 米国ETF市場の規模はどのくらいですか?
2024年末時点で総運用資産額は7兆ドルを超え、世界最大のETF市場となっています。年間の資金流入額も数千億ドル規模で推移しており、今後も拡大が予想されます。
Q2. 日本から投資できる人気のETFは?
VOO、SPY、IVV、QQQ、VTIなどが代表的です。これらは多くの日本の証券会社でも取り扱われています。
Q3. テーマ型ETFは長期投資に向いていますか?
テーマ型ETFは短期的な成長が期待できる一方で、長期では市場平均を下回ることもあります。ポートフォリオの一部に限定的に組み入れるのが現実的です。
Q4. 債券ETFをポートフォリオに入れるメリットは?
株式との相関が低いため、全体のボラティリティを下げる効果があります。金利上昇局面では短期債、金利低下局面では中長期債が注目されます。
Q5. カバードコールETFは初心者でも大丈夫?
分配金利回りが高い反面、上昇相場でのリターンが限定される点に注意が必要です。特性を理解したうえで、配当重視の戦略に限定的に使うのが望ましいです。
Q6. 為替リスクを抑えるには?
円建てヘッジ付きの米国ETF(例:一部の国内投信や為替ヘッジ付きETF)を利用するか、為替を含めたポートフォリオ管理を意識する必要があります。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。