
米国高配当ETFランキングと選び方|人気ETFの特徴とリターンを徹底解説
By Staff | 2025-09-12
Category: 配当成長投資
米国株式市場には数多くのETFが存在します。
その中でも「高配当ETF」は、安定した収入源を得ながら投資を続けたい人にとって魅力的な選択肢です。
ただし、高配当ETFといっても利回りの水準や投資戦略はさまざまで、投資目的に応じて選ぶべき銘柄は変わってきます。
本記事では代表的な米国高配当ETFをランキング形式で紹介し、それぞれの特徴やリターンを整理しながら、投資スタイルに合わせた選び方を考えていきます。
高配当ETFを選ぶときの視点
高配当ETFを選ぶ際に、まず確認すべきは「分配利回り」と「トータルリターン(配当+値上がり益)」のどちらを重視するかです。
資産形成を目的とするなら、株価上昇も含めたトータルリターンの最大化が重要になります。例えばVYMは利回りは控えめでも、長期的な値上がり益を取り込みやすい設計です。
一方で、退職後の生活費補填や安定した収入を最優先にしたい投資家にとっては、株価の成長よりも安定した分配金と元本の維持がより大切です。この場合、QYLDやJEPIのような高配当型ETFが候補に入ります。
- 債券投資も一つの選択肢ですが、インフレに弱い側面があります。その点、高配当株ETFはインフレ局面でもある程度の耐性があり、配当が増加する可能性も期待できます。
コストやセクターの偏り、分配頻度(毎月か四半期か)も重要な判断材料です。
米国高配当ETFランキング
1. SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(SPYD)
SPYDはS&P500構成銘柄のうち高配当株80銘柄を均等比率で組み入れています。
2025年時点の分配利回りは約4.7%。上位構成には金融、不動産、公益が多く含まれています。
2020年のコロナショックでは大きく下落しましたが、2021年には年率20%を超えるリターンを記録するなどリバウンド力もあります。
短期的な値動きは大きいものの、高利回りと分散が魅力です。
2. iShares Core High Dividend ETF(HDV)
HDVは財務の健全性を重視したスクリーニングで、エクソンモービル、ジョンソン&ジョンソン、シェブロンなどを多く組み入れています。直近の利回りは3.6%程度。
セクター比率はヘルスケアとエネルギーが大きく、2022年の株式市場下落局面でも比較的底堅い値動きを示しました。
安定性を求める投資家に適しています。
3. Vanguard High Dividend Yield ETF(VYM)
VYMは約400銘柄を保有し、幅広い分散が特徴です。
利回りはおよそ3%と控えめですが、バンガードの低コスト運用(経費率0.06%)も強みです。
過去10年間の年平均リターンは約11%で、長期投資に向いたバランス型の高配当ETFといえます。
4. iShares Select Dividend ETF(DVY)
DVYは配当履歴の長い企業を中心に約100銘柄で構成されています。
利回りは4%前後。
公益、金融、エネルギーなど伝統的な高配当セクターが多く含まれており、景気循環に敏感な一方で、配当の安定感は魅力です。5年平均リターンは約8%と堅調です。
5. Global X Nasdaq 100 Covered Call ETF(QYLD)
QYLDはNASDAQ100をベースにカバードコール戦略を行うことで、毎月高い分配を出す仕組みです。
直近の利回りは約11%。ただし株価成長は限定的で、設定来リターンは年率7%程度にとどまります。
インカム重視の投資家に人気ですが、資産成長には向きません。
6. JPMorgan Equity Premium Income ETF(JEPI)
JEPIはS&P500銘柄をベースに、オプション収入を加える戦略を採用しています。
利回りは6〜7%と高めでありながら、株価の安定性も高いのが特徴です。
2020年の設定以来、年率9%前後のリターンを維持しており、高配当と資産成長を両立したい投資家に向いています。
投資スタイル別の選び方
高配当ETFは一つにまとめられません。投資スタイルによって適した選択肢は異なります。
- キャッシュフロー重視派は、QYLDやJEPIのように毎月分配型で高利回りを提供するETFが適しています。
- 安定性重視派は、HDVやVYMといった大型株・ディフェンシブ銘柄中心のETFが安心です。
- バランス重視派は、SPYDやDVYのように高利回りと分散のバランスを取りつつ、ある程度の値上がり益も狙えるETFが選択肢となります。
為替と税制の考慮
米国ETFはドル建てであるため、為替変動がリターンに大きく影響します。
円安局面では受け取る配当が増えますが、円高時には逆に目減りします。
さらに、分配金には米国で10%の課税、日本国内でも課税が発生するため二重課税の状態になります。
ただし、確定申告で外国税額控除を利用すれば、米国課税分の一部または全額を取り戻せる可能性があります。
まとめ
米国高配当ETFといっても、利回り、セクター構成、投資戦略は大きく異なります。
利回りだけを基準に選ぶのではなく、トータルリターンや安定性、インフレ耐性、分配頻度などを含めて総合的に判断することが重要です。
配当生活を目指すのか、資産形成を重視するのか、自分の目的を明確にしてETFを選ぶことが、長期投資の成功につながります。
マーケット概況
最新記事
カテゴリー
タグ
個別株 ETF 基礎知識 インデックス投資 成長株 配当株 米国債 PLTR NVDA AMZN AVGO MSFT META AAPL GOOGL TSLA NFLX UNH GS AMD COIN IBM INTC OKLO IONQ JNJ KO PG PEP MCD XOM CVX TXN CSCO MMM CAT ABBV BMY MRK VZ T WMT TGT LOW HD SHEL PM MO JPM BAC WFC BLK TROW BK AMGN GILD ABM ADM ADP AFL ALB ALRS ANDE AOS APD AROW ARTNA ATO ATR AWR BANF BDX BEN ORCL
投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。