
不況期のインデックス投資実践例|歴史的下落と回復から学ぶ長期戦略
By Staff | 2025-08-26
Category: インデックス投資
投資において「不況期」は必ず訪れるものです。
株価が大幅に下落し、経済や雇用が不安定になる局面は精神的に厳しいですが、長期投資家にとってはチャンスでもあります。
特に米国株のインデックス投資は、数々の不況を乗り越えながら長期的に成長してきました。
本記事では20世紀から21世紀にかけての大きな不況を振り返り、不況期におけるインデックス投資の実践例を見ていきます。
不況期とは何か
一般的に不況期は、経済成長の鈍化や企業収益の悪化、失業率の上昇を伴います。
株価は急落し、投資家心理も冷え込むことが多いですが、歴史的にはすべての下落相場が最終的に回復してきました。
実践例①:世界恐慌(1929年〜)
1929年10月の「暗黒の木曜日」から始まった世界恐慌では、ダウ工業株30種平均が1929年の高値から1932年までに約−89%下落しました。
S&P500の前身インデックスも同様に壊滅的な下落を記録しました。
完全回復までには約25年を要しましたが、その間に投資を継続した人は戦後の成長を大きく享受しました。
実践例②:スタグフレーション(1970年代)
1973年のオイルショックと高インフレにより、S&P500は1973年1月から1974年12月にかけて約−48%下落しました。
景気低迷と物価上昇が同時に進む難しい局面でしたが、1980年代に入るとインフレ抑制と経済成長が進み、インデックスは力強い回復を遂げました。
実践例③:ブラックマンデー(1987年)
1987年10月19日、ダウ平均は1日で−22.6%という歴史的暴落を記録しました。
S&P500も同日に約−20%急落しました。
しかし、その後2年でインデックスは完全回復し、短期的な暴落が長期投資にとって大きな障害ではないことを示しました。
実践例④:リーマンショック(2008年)
2007年の高値から2009年初頭にかけて、S&P500は約−56%下落しました。
世界金融危機により市場は大混乱しましたが、2013年にはリーマン前の水準を回復。
その後の強気相場で資産を大きく伸ばすことができました。
不況期でも積立をやめなかった投資家は、平均取得単価を下げる恩恵を受けています。
実践例⑤:コロナショック(2020年)
2020年2月から3月にかけて、S&P500は約−34%下落しました。
しかし米国政府とFRBの大規模な金融緩和によって、わずか半年で株価は回復し、翌年には史上最高値を更新しました。
下落時も積立を続けた人は短期間で大きなリターンを得ることになりました。
不況期にインデックス投資を続けるための工夫
- 定額積立(ドルコスト平均法):相場が下がるほど多くの口数を自動的に購入できる
- 配当再投資:不況期でも入ってくる配当を再投資すれば将来の成長につながる
- 長期視点を持つ:ニュースや短期的な値動きに振り回されず、10年単位で考える
資産配分の調整:株式だけでなく債券や現金も一定割合持つと精神的に安定する
まとめ
不況期は避けて通れない投資の現実ですが、歴史が示す通りすべての下落相場は最終的に回復しています。
世界恐慌やリーマンショックのような深刻な下落でも、インデックス投資を続けた人はその後の成長を享受してきました。
重要なのは「投資を止めないこと」と「長期的な視点」を持つことです。
不況期を恐れるのではなく、将来の資産形成を加速させるチャンスとして捉えることが、インデックス投資家にとって最大の強みとなります。
FAQ:不況期のインデックス投資に関するよくある疑問
Q1. 不況期にインデックス投資を続けるのは本当に安全ですか?
A. 短期的には大きな含み損を抱える可能性があります。しかし歴史的に見ると、世界恐慌やリーマンショックのような深刻な不況でもインデックスは最終的に回復してきました。むしろ不況期に積立を継続することで、安値で多くの口数を購入できるため、長期的には有利になるケースが多いです。
Q2. 過去の不況期の回復にはどれくらいかかりましたか?
A. 1929年の世界恐慌は回復まで約25年と非常に長い時間を要しました。一方で、1987年のブラックマンデーは約2年で回復し、2020年のコロナショックは半年ほどで史上最高値を更新しました。不況の深刻度によって回復期間は大きく異なりますが、いずれも長期的には成長を取り戻しています。
Q3. 不況期に投資をやめるとどうなりますか?
A. 下落時に投資をやめてしまうと、回復局面での大きな上昇を逃す可能性が高いです。例えば2009年に市場から撤退した投資家は、2010年代の強気相場の利益を取り逃しました。継続することが資産形成のカギとなります。
Q4. 不況期には一括投資と積立投資、どちらが有利ですか?
A. タイミングを完璧に当てるのは難しいため、積立投資(ドルコスト平均法)が現実的で有利です。市場が下落している間は多くの口数を買え、回復時にリターンが大きくなります。余裕資金があれば一括投資も有効ですが、心理的に難しい場合は積立が安心です。
Q5. インデックス投資だけで不況を乗り切れるのでしょうか?
A. インデックス投資だけでも長期的には十分可能ですが、資産配分を工夫することで精神的な安定を得られます。株式に加えて債券や現金を一定割合持てば、暴落時に生活資金を確保しやすくなります。また、副収入やサイドFIREの仕組みを取り入れるとリスクを分散できます。
Q6. 不況期に配当はどう役立ちますか?
A. 多くの米国企業は不況期でも配当を維持・増配してきました。配当を再投資することで資産形成のスピードが上がり、下落時でも「現金収入がある」という心理的な支えになります。インデックス投資と配当株の組み合わせは有効な戦略です。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。