
大暴落時のインデックスパフォーマンス比較|リーマンショックとコロナショックでの資産防衛
By Staff | 2025-08-22
Category: インデックス投資
株式市場は定期的に大きな暴落を経験します。
特に2008年のリーマンショックと2020年のコロナショックは、投資家にとって記憶に残る出来事です。
これらの危機の際に、主要インデックスがどのように動いたのかを振り返ることで、リスク管理や分散投資の重要性が理解できます。
ここでは米国を代表するETFである SPY(S&P500)、QQQ(NASDAQ100)、IWM(Russell2000)、TLT(米国長期国債)、GLD(金ETF) を比較していきます。
各インデックスの概要
- SPY:米国の大型株500銘柄で構成される最も代表的な株価指数。
- QQQ:NASDAQ100に連動するETFで、ハイテク株を中心に構成。
- IWM:Russell2000に連動するETFで、小型株の動向を反映。
- TLT:20年以上の米国長期国債に投資するETF。リスク回避資産の代表格。
- GLD:金価格に連動するETF。安全資産として世界的に注目される。
これらを比較することで、株式・債券・金それぞれの役割が明確になります。
リーマンショック時(2008–2009)の動き
リーマンショックでは株式市場全体が大暴落しました。
- SPYはピークから底まで 約−55% の下落。
- QQQも同様に 約−50% の下落。
- IWMは特に弱く 約−60% に達しました。
一方で守りの資産は逆の動きを見せました。
- TLTはリスクオフの資金流入で 約+20% 上昇。
- GLD(金)は堅調に推移し 約+5〜10% 上昇。
この結果から、株式が総崩れとなる局面でも、国債と金が防御力を発揮したことがわかります。
コロナショック時(2020年)の動き
コロナショックでは史上最速の下落が起きました。
- SPYはわずか1か月で 約−34% 下落。
- QQQは一時 約−30% の下落でしたが、その後は最速で回復し、年末には高値を更新。
- IWMは小型株ゆえに弱く、約−40% の下落を経験しました。
守りの資産も注目されました。
- TLTは短期間で 約+20% の上昇。
- GLDは金需要が高まり 約+10% 上昇。
コロナでは株式の下落スピードが非常に速かったものの、国債と金がセーフヘブンとして機能しました。
また、QQQの回復力の強さが際立った点も特徴的です。
暴落後の回復スピード
リーマンショックでは株式市場の回復に数年を要しました。
SPYは高値を回復するまでに約5年、IWMはさらに時間がかかりました。
QQQも約4年を要しました。
一方、コロナショックでは異例の速さで回復しました。
SPYは半年程度で戻し、QQQは3〜4か月で過去最高値を更新しました。
IWMはやや遅れましたが、その後大幅に上昇しました。
TLTやGLDは下落局面で防御力を発揮しましたが、景気回復局面では横ばい傾向が強くなりました。
株式 vs 債券・金の役割
株式、債券、金にはそれぞれ役割があります。
- 株式(SPY・QQQ・IWM):長期的なリターンの源泉だが、暴落時の下落幅は大きい。
- 債券(TLT):リスクオフ局面で買われ、株式の下落を相殺する役割。
- 金(GLD):株式や債券と異なる値動きをすることが多く、分散投資の要となる。
投資家にとっての示唆
- 株式だけではなく債券や金を組み合わせることで暴落時の損失を軽減できる。
- 成長株指数であるQQQは下落時に弱いものの、回復期には最速で資産を増やせる。
- 小型株(IWM)は景気敏感で、下落幅が大きい反面、回復も景気次第で強くなる。
- 債券(TLT)と金(GLD)は「守りの資産」としてポートフォリオに一定比率を組み入れる価値がある。
まとめ
リーマンショックとコロナショックという2つの大暴落を比較すると、株式は大きな下落を避けられませんでした。
しかし、その一方で国債と金は守りの資産として機能しました。さらに、QQQのように下落後の回復力が強い指数も存在します。
結論として、どのインデックスも一長一短があり、組み合わせて保有することで安定性と成長性を両立できることが確認できます。
暴落は避けられませんが、分散投資によって資産を守りながら長期的に増やす戦略が重要です。
FAQ
Q: リーマンショックで最も下落したインデックスは?
A: 小型株を対象とするIWMで、約−60%の下落でした。
Q: コロナショックで最速で回復したのは?
A: QQQ(NASDAQ100)で、わずか数か月で高値を更新しました。
Q: 暴落時にTLTとGLDはどれほど役立つ?
A: リーマンではTLTが約+20%、GLDが+5〜10%。コロナでも同様に上昇し、守りの資産として機能しました。
Q: SPYとIWMの違いは?
A: SPYは大型株で安定性が高く、IWMは小型株で景気敏感なため下落幅が大きくなりがちです。
Q: 暴落に備える最適な戦略は?
A: 株式だけでなく、債券や金を組み入れることで下落時のダメージを緩和できます。
Q: 現金比率を増やすのは有効?
A: 暴落時の一時的な守りには有効ですが、長期ではリターンが得られないため、分散投資と組み合わせるのが現実的です。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。