← トップ

投資初心者が陥りやすいインデックス投資の誤解|長期投資で成功するための正しい理解

By Staff | 2025-08-26

Category: インデックス投資

インデックス投資は「初心者でも安心」「長期で成功しやすい」と紹介されることが多く、実際に多くの人が資産形成の柱として取り入れています。

 

しかしその一方で、初心者が誤解してしまうポイントも少なくありません。

 

ここでは代表的な誤解と正しい理解を整理し、長期投資を続ける上で大切な考え方を確認していきます。

 


 

誤解①:インデックス投資は絶対に損しない

 

インデックス投資は市場全体を対象にするため「個別株より安全」といわれますが、短期的に大きく値下がりすることは普通にあります。

 

例えば2008年のリーマンショックでは、S&P500がピークから約−56%下落しました。

 

2020年のコロナショックでもわずか1か月半で−34%の下落を経験しています。


しかし歴史的に見ると、いずれも数年で回復し、その後は史上最高値を更新してきました。

 

つまり「損をしない」のではなく「時間をかければ回復する力がある」と理解するのが正解です。

 


 

誤解②:毎年必ず一定のリターンが得られる

 

よく「インデックス投資は年平均7%で増える」と言われますが、これは過去数十年の平均値にすぎません。

 

実際にはある年は+30%、ある年は−20%と大きく変動します。


例えばS&P500は2013年に+32%、2018年に−6%、2022年に−19%と結果はバラバラです。

 

平均7%という数字は「長期で持てばおおよそこの水準に収れんしていく」という意味であり、毎年安定した収益が出るわけではありません。

 


 

誤解③:短期間で大金持ちになれる

 

インデックス投資の真価は複利効果にありますが、それを実感するには時間が必要です。

 

毎月3万円を年7%で30年間積み立てた場合、最終的に約3600万円に到達します。

 

しかし10年で止めてしまうと約500万円程度にしかなりません。

 

短期で大きな資産を築く魔法ではなく、長期的に続けることで力を発揮します。

 


 

誤解④:完全放置は危険

 

「インデックス投資は放置すればいい」と言われることがあります。

 

確かに基本的には低コストのETFや投資信託を買ってそのまま保有するだけで成果が出やすいのは事実です。

 

実際、S&P500に連動するETFを1990年代から持ち続けた投資家は、リーマンショックやコロナショックを経験しても長期的に年平均7〜10%前後のリターンを得ています。

 

ただし「完全放置」が危険なのは、生活状況の変化を一切考慮しない場合です。

 

積立額を見直す、投資と生活費のバランスを調整するといった最低限のメンテナンスは必要です。

 

それでも頻繁な売買や複雑なリバランスは多くの人にとって不要で、結局は「買って持ち続ける」が最も成功率の高い方法でした。

 


 

誤解⑤:為替リスクを気にしすぎるべき

 

米国株インデックスに投資する以上、為替リスクは存在します。

 

円高になれば資産の円換算額は減り、円安なら増えます。

 

例えば株価が+10%でも同時に円高10%なら資産は目減りする計算です。


しかし、為替リスクは円で現金を持ち続けても同じように存在します。

 

さらに、一般的な個人投資家が為替ヘッジを常時行うのはコストが高く現実的ではありません。

 

歴史的に見れば、米国株の成長率が為替の変動を上回ってきたケースが多く、結果的に長期保有で報われてきました。


したがって、必要以上に為替リスクを意識しすぎる必要はなく、低コストのインデックスETFを買って長期で保有すること自体が合理的な選択肢といえるでしょう。

 


 

誤解⑥:インデックス投資は誰にでも万能

 

インデックス投資はシンプルで効果的ですが、全員に最適とは限りません。

 

短期で大きな利益を狙いたい人や、リスク許容度が極端に低い人には合わないケースもあります。


ただし「特別な知識がなくても始めやすく、長期的に資産形成を期待できる」という点では、もっとも汎用性の高い手法の一つです。

 


 

正しい理解で長期投資を続ける

 

  • インデックス投資は短期では上下動が大きいが、長期では回復力が強い
  • 毎年安定したリターンではなく「平均的に長期で成長する」と理解する
  • 複利の力を最大化するためには20年、30年単位で続けることが大切
  • 為替リスクは存在するが、気にしすぎる必要はなく「長期保有」が最良の対策
  • 実際、低コストETFを買ってそのまま持ち続けることが過去数十年でもっとも成功してきた投資法

 


 

まとめ

 

インデックス投資は誤解されやすい側面もありますが、正しく理解すれば極めて強力な資産形成の手段です。

 

短期での値動きや為替の変動に振り回されるのではなく、シンプルに積立を続けて「忘れてしまう」くらいがちょうど良い投資法とも言えます。

 

実際、過去数十年のデータがその有効性を裏付けています。

 

大切なのは派手さを求めるのではなく、着実に時間を味方につけることです。

 

 


 

FAQ:インデックス投資に関するよくある疑問

 

Q1. インデックス投資は本当に「ほったらかし」で大丈夫ですか?


基本的には低コストのETFを買って長期保有するだけで十分成果が出やすい投資法です。実際にS&P500に連動するETFを20年以上持ち続けた場合、年平均7〜10%前後のリターンを得られました。ただし、生活費や収入状況が変化したときに積立額を調整するなど最低限のメンテナンスは必要です。

 

Q2. 為替リスクは全く気にしなくていいのですか?


為替リスクは確かに存在しますが、円を現金で持っているだけでも同様にリスクはあります。日常的に為替ヘッジを行うのはコストが高く、個人投資家には現実的ではありません。長期で見れば米国株の成長率が為替変動を上回るケースが多く、過度に気にする必要はありません。

 

Q3. 毎年7%のリターンが期待できると聞きましたが本当ですか?


「年平均7%」は過去数十年の平均であり、毎年必ず得られるものではありません。ある年は+30%、別の年は−20%と大きく変動します。長期で保有することで平均リターンに近づいていくと理解しておくことが大切です。

 

Q4. 下落相場のときは投資を止めるべきですか?
短期的な下落で投資をやめてしまうと、回復局面のリターンを逃してしまいます。例えばリーマンショック後に積立を継続した投資家は、平均取得単価を下げ、その後の回復で大きな利益を得ました。不況期こそ継続することが将来の成果につながります。

 

Q5. インデックス投資だけで老後資産は十分でしょうか?


基本的には可能です。S&P500や全米株式ETFを長期保有すれば、過去の歴史的データから見ても老後資産形成には十分な成果が期待できます。配当収入や副収入を組み合わせれば、さらに安定感のあるプランを立てられます。

 

Tags: インデックス投資
マーケット概況
Profile Image
投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。