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NASDAQ100の歴史的パフォーマンス徹底分析|年代別リターンと驚異のトータルリターン

By Staff | 2025-08-22

Category: インデックス投資

NASDAQ100は米国NASDAQ市場に上場する時価総額の大きな非金融株100銘柄で構成される株価指数です。

 

GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)やNVIDIA、Teslaといったテクノロジーやグロース株が中心であり、米国経済の成長産業を象徴する指数とも言えます。

 

1985年に創設されて以降、S&P500を大きく上回るパフォーマンスを示してきました。

 


 

NASDAQ100の平均リターン

 

  • 創設以来の年率リターンは 約12〜13%(配当再投資込み)
  • S&P500の年率10%前後を上回る
  • 成長性は高いが、下落局面でのボラティリティも大きい

 

つまり、NASDAQ100は「ハイリスク・ハイリターン」の代表的な株価指数です。

 


 

各年代ごとのリターンと特徴

 

1980年代後半(1985–1989):年率約12%

 

指数創設直後は堅調に推移し、IT産業の成長期待を背景に安定した上昇を記録しました。

 

1990年代:年率約20%

 

インターネット革命とテクノロジー株の急成長で、NASDAQ100はS&P500を大きく上回りました。バブルの色合いも強く、1999年までに指数は急騰しました。

 

2000年代:年率約−6%

 

ドットコムバブル崩壊で2000〜2002年にかけて約80%下落。その後のリーマンショックも重なり、この10年間はマイナスリターンとなりました。

 

2010年代:年率約16%

 

クラウド、スマホ、AIなど新しい産業が成長し、NASDAQ100は力強い回復を見せました。ハイテク企業の躍進が続き、投資家に大きな利益をもたらしました。

 

2020年代(2020–2023):年率約12〜13%

 

コロナショックで急落したものの、その後は史上最速の回復を見せました。2022年の金利急上昇で一時的に下落したものの、再び上昇基調にあります。

 


 

暴落と回復の歴史

 

NASDAQ100はS&P500以上に大きなドローダウンを経験してきました。

 

  • 2000〜2002年:ドットコムバブル崩壊で約80%下落
  • 2008年:リーマンショックで大幅下落
  • 2020年:コロナショックで短期急落

 

しかしその後は急速な回復を見せることも多く、テクノロジー産業の成長力を背景に長期的には右肩上がりを維持してきました。

 


 

トータルリターンのインパクト

 

NASDAQ100の累積リターンは驚異的です。

 

  • 1985年末に$10,000を投資 → 2023年末には約$2,400,000に成長
  • 累積トータルリターン:+23,000%超(240倍以上)
  • 年率換算(CAGR):約13%

 

つまり、ドットコムバブル崩壊の大暴落を含めても、長期で投資を続けた人は資産を大きく増やしてきたことがわかります。

 


 

セクター構成とパフォーマンスの関係

 

  • テクノロジー株比率が高いため、イノベーションの成長に直結
  • ボラティリティも大きく、下落時のリスクはS&P500以上
  • 近年はヘルスケアや消費関連株も含まれ、やや分散性が高まってきています

 


 

投資家にとっての示唆

 

  1. 高リターンの可能性:長期ではS&P500を大きく上回る成果を期待できる
  2. リスクの高さ:ドローダウンが深いため、資産の全額を集中させるのは危険
  3. ポートフォリオへの組み入れ方:S&P500や全米株式と組み合わせることで、成長性と安定性を両立できる

 


 

まとめ

 

NASDAQ100はテクノロジー産業の成長を映し出す指数として、過去数十年で驚異的なリターンを投資家に提供してきました。

 

一方で、ドットコムバブルのような大暴落も経験しています。

 

+23,000%超の累積リターン(240倍以上) という事実は、長期投資の力を強く物語っています。

 

リスクを理解したうえで、ポートフォリオの成長エンジンとして活用することが重要です。

 


 

FAQ

 

Q: NASDAQ100はS&P500より常に高いリターン?


A: 長期的にはNASDAQ100が上回る傾向にありますが、短期では必ずしもそうではありません。特に2000年代のようにドットコムバブル崩壊で大きく下落した時期には、S&P500の方が安定していました。

 

Q: ドットコムバブル崩壊時はどのくらい下落した?


A: 2000〜2002年にかけて約80%下落しました。株価が5分の1になるほどの急落で、多くの投資家が大きな損失を抱えました。ただし、その後の10〜20年で指数は大きく回復し、過去の下落を上回る成長を見せました。

 

Q: 直近10年(2013–2023)の年率リターンは?


A: およそ15%前後です。S&P500の同時期の年率10〜11%よりも高く、テクノロジー株の成長が全体をけん引しました。

 

Q: 為替の影響はどう考える?


A: 円建てで投資する場合、円高になるとドル建てのリターンが目減りします。例えば、NASDAQ100が+15%のリターンでも、同時に円高が進行すると実際のリターンは小さくなります。ただし、長期的には為替変動の影響は薄まりやすい傾向があります。

 

Q: 集中投資は危険?


A: NASDAQ100はセクター偏重(特にテクノロジー比率が高い)ため、景気循環や金利上昇時には大きく下落するリスクがあります。ポートフォリオの一部として活用し、S&P500や債券などと組み合わせてリスク分散するのが現実的です。

 

Q: NASDAQ100とNASDAQ総合指数は違うの?


A: 違います。NASDAQ総合指数はNASDAQ市場全体(数千銘柄)をカバーするのに対し、NASDAQ100は時価総額の大きい非金融株100銘柄に絞った指数です。投資商品としてはNASDAQ100の方が代表的です。

 

Q: 配当はあるの?


A: NASDAQ100はグロース株中心で配当利回りは低めですが、一部の大型企業(マイクロソフト、アップルなど)は安定配当を出しています。配当再投資を組み合わせればトータルリターンがさらに高まります。

 

Q: どのETFで投資できる?


A: 代表的なのは「Invesco QQQ Trust (QQQ)」や「Invesco NASDAQ100 ETF (QQQM)」です。日本の証券会社からも購入可能で、流動性も非常に高い商品です。

 

Q: リスク許容度が低い場合はどうすべき?


A: リスクを抑えたい場合は、NASDAQ100単独ではなくS&P500や全世界株式インデックスと組み合わせるのが有効です。これにより、テクノロジーの成長恩恵を得つつ、ボラティリティを緩和できます。

 

 

Tags: インデックス投資
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。