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SCHDと高配当ETF徹底比較|VYM・HDV・SPYDとの違いと選び方

By Staff | 2025-08-20

Category: インデックス投資

安定した配当を受け取りながら資産を増やしたい投資家にとって、高配当ETFは魅力的な選択肢です。

 

その中でも近年注目度を高めているのが「SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)」です。

 

米国の連続増配株を中心に構成されており、安定した配当と長期成長を両立することを目指しています。

 

一方で、同じ「高配当ETF」といってもVYMやHDV、SPYDといった競合商品が存在します。

 

これらはそれぞれ特徴が異なるため、どのETFを選ぶかは投資目的やリスク許容度によって変わってきます。

 

本記事では、SCHDの特徴を整理し、他の代表的な高配当ETFと比較しながら考えていきます。

 


 

SCHDとは?

 

SCHDは「Schwab U.S. Dividend Equity ETF」の略称で、チャールズ・シュワブ社が提供するETFです。

 

米国株の中でも安定した配当実績を持ち、財務の健全性が高い企業に投資するのが特徴です。

 

  • 信託報酬は0.06%と非常に低コスト
  • 投資対象は配当履歴や財務基盤を重視して選定
  • セクター分散も比較的良好で、特定業種に偏りにくい

 

特に「連続増配株」に注目している点がユニークで、配当だけでなく将来的な増配も期待できる構成になっています。

 


 

SCHDのメリット

 

まず大きな魅力は 配当の安定性と増配余地 です。

 

配当利回りはおおよそ3〜4%程度で推移しており、極端に高くはありませんが、その分リスクが抑えられています。

 

また、構成銘柄は財務基盤の強い大型株が多いため、減配リスクが小さいのも安心材料です。

 

さらに信託報酬が0.06%と非常に低く、同カテゴリーのETFと比較してもトップクラスの低コストを誇ります。

 

リターン面でも過去10年のパフォーマンスは安定しており、単なる配当重視型ではなく、株価上昇によるトータルリターンも狙える点が評価されています。

 


 

SCHDの注意点

 

一方で、注意すべきポイントもあります。

 

まず投資対象は米国株に限定されているため、世界分散はできません。

 

結果的に米国市場の動向に大きく左右されます。

 

また、配当重視の性質上、ハイテク銘柄の比率は低めです。

 

近年の米国市場ではハイテク株が市場全体をけん引しているため、その恩恵を受けにくい側面があります。

 

さらに、ドル建てのETFであるため為替リスクも避けられません。

 

円高が進めば円換算でのリターンは目減りする可能性があります。長期的には相殺される面もありますが、短期的な評価損益には影響します。

 


 

他の高配当ETFの特徴

 

VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)

 

VYMは大型株を広くカバーしており、分散性が高いのが特徴です。利回りは3%前後と安定的で、成長性よりも安定配当を重視する設計です。

 

HDV(iShares Core High Dividend ETF)

 

HDVは財務健全性に重点を置いた銘柄選定をしており、エネルギーやヘルスケアの比率が高めです。配当利回りは3〜4%程度で、セクター特性から景気動向に左右されやすい点があります。

 

SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)

 

SPYDはS&P500銘柄の中から高配当株80社を均等加重で構成しています。利回りは4〜5%と高めですが、セクター偏りが強く、株価の変動も大きいのが特徴です。高配当を求める投資家に人気ですが、減配リスクは他のETFより高めです。

 


 

SCHDと他ETFの比較ポイント

 

  • 配当利回り:SPYDが最も高く、SCHDとHDVは3〜4%、VYMはやや低め。
  • 安定性:増配株を重視するSCHDがバランス良く安定的。SPYDはリスクが高め。
  • セクター分散:VYMは分散度合いが高く、HDVはエネルギー偏重。SCHDは比較的バランス型。
  • コスト:SCHDは0.06%と最も低コスト。他は0.08〜0.12%程度。

 

これらを総合すると、配当の「安定性と成長性」を求めるならSCHD、幅広く分散したいならVYM、高配当狙いならSPYDという整理ができます。

 


 

国内から投資する際の考慮点

 

米国ETFを購入する場合、配当課税や為替コストに注意が必要です。

 

配当は米国で10%源泉徴収された後、日本でも課税されます。二重課税は外国税額控除で調整可能ですが、確定申告が必要になるケースがあります。

 

また、四半期ごとに支払われる配当は自動再投資(DRIP)が国内証券会社では利用できません。

 

そのため、配当を再投資したい場合は手動で買い増しする必要があります。

 

NISA口座を活用すれば配当や譲渡益に日本での課税はかかりませんが、米国の10%課税は避けられません。

 

長期で高配当ETFを保有する際には、こうした制度上の違いも考慮しておくと安心です。

 


 

まとめ

 

SCHDは「低コスト・安定配当・増配期待」という3拍子が揃った優秀な高配当ETFです。

 

VYM、HDV、SPYDと比べてもバランスの良さが際立ち、長期的な資産形成において頼れる存在といえます。

 

  • SCHD:安定性と成長性を兼ね備えたバランス型
  • VYM:広く分散、安定重視
  • HDV:財務健全性重視、セクター偏りあり
  • SPYD:利回りは高いがリスクも高い

 

配当重視の投資を考える際には、利回りだけでなく安定性・分散性・コストを含めた総合的な判断が必要です。

 

その中でSCHDは「配当を受け取りつつ安定した成長も狙いたい投資家」に適した選択肢といえるでしょう。

 


 

FAQ

 

Q1. 配当利回りが最も高いのはどのETF?


A. SPYDが最も高いが、値動きの大きさと減配リスクも高い。

 

Q2. 安定性を重視するなら?


A. SCHDやHDV。特にSCHDは増配株中心で信頼性が高い。

 

Q3. 長期投資に適しているのは?


A. バランスの良いSCHDと分散性の高いVYMが候補。

 

Q4. 為替リスクはどう考える?


A. ドル建て資産のため円高局面では不利だが、長期的には相殺される傾向がある。

 

Tags: インデックス投資
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。