
米国REITに投資する方法|ETF・国内上場商品・海外口座の活用法
By Staff | 2025-08-21
Category: インデックス投資
米国のREIT市場は世界最大規模を誇り、住宅、商業施設、物流センター、データセンターなど幅広い不動産セクターに投資できる点が魅力です。
安定した配当収入を狙えるだけでなく、インフレ局面での資産価値の維持にもつながるため、分散投資の一環として取り入れる投資家も少なくありません。
とはいえ、日本にいながら米国REITに投資する方法はいくつか存在し、それぞれに特徴と制約があります。本記事では、代表的な金融商品とその活用方法を整理していきます。
U.S. REIT ETFs(米国REIT ETF)
日本から米国REITに投資する際、まず候補に挙がるのが米国市場に上場しているETFです。
これらは複数のREIT銘柄をまとめて保有できるため、個別REITへの集中リスクを避けつつ分散投資が可能になります。
iShares US Real Estate ETF (IYR)
ダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動。Realty Income(O)をはじめとする主要REITを含みます。Vanguard Real Estate ETF (VNQ)
米国不動産市場全体をカバーするMSCI US IMI Real Estate 25/50 Indexに連動。世界最大級のREIT ETFで流動性も豊富です。Schwab U.S. REIT ETF (SCHH)
手数料水準が低く、ダウ・ジョーンズU.S.セレクトREIT指数に連動します。
👉 これらは米国に上場しているETFですが、日本の証券会社を通じて投資できるケースは限られています。
楽天証券やSBI証券など大手ネット証券では取り扱いがない場合が多く、実際には Interactive BrokersやSaxo Bank証券 といった海外系プラットフォームを利用しないと購入できません。
なぜこうした制約があるのかというと、外国証券を国内投資家に販売するためには 金融庁への登録が必要 だからです。
VTIやSPYのような代表的ETFは登録されているため広く取引可能ですが、REIT ETFのような特殊な分野は登録されていないことが多いのです。
東証に上場している米国REIT ETF
直接米国ETFを買えない場合の代替手段として、日本円建てで東証に上場している「米国REIT指数連動ETF」を活用することができます。
代表的な商品は以下の通りです。
- NEXT FUNDS 米国リート・ファンド(2515)
- ダイワ上場投信-米国リート指数(1488)
- MAXIS 米国リート上場投信(1635)
これらは円で売買でき、配当も円で受け取れるため利便性は高い一方で、米国本家ETFと比べると 信託報酬(運用管理費用)がやや高い というデメリットがあります。
長期投資ではコスト差が積み重なる点を理解しておくことが重要です。
投資信託(米国REITファンド)
証券会社や銀行を通じて購入できる投資信託の中にも、米国REITに特化したファンドがあります。
たとえば「SMT米国REITインデックス・オープン」や「ワン米国リート・オープン」などが代表的です。
ETFと比べると手数料は高めですが、少額から自動積立が可能で、NISA口座を活用して非課税メリットを得やすい点は魅力です。
初心者が米国REITに触れる入り口として利用されるケースも多いです。
グローバルREITファンド
米国だけでなく、欧州やアジアの不動産市場も含めた「グローバルREITファンド」も販売されています。
米国REITの比率が半分以上を占めることが一般的で、結果的に米国市場に強く連動する形になります。
複数地域の不動産に分散できる点はメリットですが、為替リスクやコスト面は要チェックです。
海外口座を活用した直接投資
個別の米国REIT(例:Realty Income “O”)を直接買いたい場合は、IBKR やSaxo Bankといった海外系ブローカーの口座を開設する必要があります。
これにより米国市場に上場しているREITを直接購入できますが、以下の点に注意が必要です。
- 配当への米国課税(10%源泉)に加え、日本での課税も発生
- 確定申告や外国税額控除の手続きが必要になる場合がある
IBKRは英語のプラットフォーム
利便性と手数料の低さでは優れていますが、税務処理を含めある程度の知識と準備が必要です。
まとめ
米国REITに投資する方法は複数あり、どの手段を選ぶかはコスト、利便性、運用スタイルによって変わります。
- 直接ETFを買いたいなら → IBKRやSaxoなど海外口座
- 国内証券を使いたいなら → 東証上場の米国REIT ETF(ただしコスト高め)
手軽に少額からなら → 投資信託やつみたてNISA枠を活用
安定配当と分散効果が魅力の米国REITですが、購入手段ごとの制約やコストを理解し、長期的に無理のない形で組み入れていくことが大切です。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。