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パランティア 2025年第2四半期決算:売上+48%、AIP導入加速と商業部門急成長

By Staff | 2025-08-12

Category: マーケット情報

パランティア・テクノロジーズ(NYSE: PLTR)は、2025年第2四半期(4〜6月期)において、政府部門・商業部門の両方で力強い成長を示しました。

 

売上総利益率は前年と同様に81%と高水準を維持し、主力の人工知能プラットフォーム(AIP)の導入拡大に注力しています。

 

経営陣は、パイロットプロジェクトを長期契約へ転換する戦略を進める一方で、地政学的リスクや競争環境の激化にも言及しました。

 


 

主要業績ハイライト(2025年第2四半期および上半期)

 

パランティアの最新決算は、売上・利益ともに大幅な改善を示しています。

  • 第2四半期売上高:10億369.7万ドル(前年比 +48%)
  • 上半期売上高:18億8755.2万ドル(前年比 +44%)
  • 売上総利益率:81%(前年同期比で横ばい)
  • 第2四半期純利益:3億2672.7万ドル(前年同期 1億3412.6万ドル)
  • 希薄化後EPS(第2四半期):0.13ドル(前年同期 0.06ドル)
  • 営業利益(第2四半期):2億6931.7万ドル(前年同期 1億0533.9万ドル)
  • コンリビューションマージン:64%(前年同期 61%)
  • 現金および現金同等物:9億2954.7万ドル(6月30日時点)
  • 有価証券(主に米国債):50億7087.5万ドル
  • 負債:ゼロ(5億ドルの未使用与信枠あり)

     

特に**米国商業部門は前年比+92.5%**と急成長し、従来の政府依存型から顧客基盤を多角化する動きが鮮明です。

 


 

部門別動向

 

政府部門

 

  • 第2四半期売上高:5億5298.3万ドル(+49%)
  • 上半期売上高:10億3994.6万ドル(+47%)
  • 米国政府案件が最大の成長ドライバーで、過去12か月で55%増加。

 

商業部門

 

  • 第2四半期売上高:4億5071.4万ドル(+47%)
  • 米国商業部門売上:3億0620万ドル(前年同期 1億5920万ドルからほぼ倍増)
  • AIPのパイロット導入から長期契約化が進行中。

 


 

製品・戦略面の進展

 

パランティアは以下4つの主要プラットフォームを軸に事業を拡大しています。

 

  • Gotham:防衛・諜報・災害救援分野でのデータ分析
  • Foundry:企業の業務運営基盤
  • Apollo:クラウド非依存の機能更新管理層
  • AIP(Artificial Intelligence Platform):LLMやAIを業務データに統合し、安全かつコンプライアンスに沿った意思決定を支援

 

顧客数は849社(前年同月比 +43%)に増加。


上位20社の平均売上は7470万ドルと前年から30%増加しています。

 


 

キャッシュフローと資本政策

 

  • 上半期営業キャッシュフロー:8億4951.4万ドル(前年同期 2億7376.6万ドルから大幅増)
  • 投資活動によるキャッシュ流出:20億0728.7万ドル(米国債購入増による)
  • 自社株買いプログラム:10億ドル枠のうち約8億9900万ドル分が残存

 


 

マクロ環境と地政学的リスク

 

経営陣は以下の外部要因に注意を払っています。

 

  • 金利上昇
  • 為替変動
  • ロシア・ウクライナ情勢や中東紛争の影響

 

ただし、現時点では業績への重大な影響は見込んでいません。

 


 

主なリスク要因

 

  • 売上成長の持続性(契約解約や競争激化の可能性)
  • 長期かつ不確実な営業サイクル(パイロット案件が契約化しないリスク)
  • 顧客集中リスク(上位3社で売上の17%)
  • 政府契約の便利条項による解除リスク
  • 法務・規制リスク(訴訟、データ保護法、輸出規制など)
  • 創業者に議決権が集中するマルチクラス株構造

 


まとめ

 

パランティアは、政府向け基盤の強化と並行して、AIPを軸とした商業市場拡大に成功しています。

 

利益率の高さと負債ゼロの財務体質は健全ですが、長期契約化までの営業負担や顧客集中リスクは引き続き注視すべきです。

 

今後は米国内外の商業市場浸透とAI関連需要の取り込みが成長のカギとなるでしょう。

 

 

 

Tags: 個別株 PLTR
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投資忍者 プロフィール

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「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。