
Apple、2025年第3四半期決算で売上10%増 iPhoneとサービスが成長を牽引
By Staff | 2025-08-12
Category: マーケット情報
米Apple Inc.(NASDAQ: AAPL)は2025年8月1日、2025年度第3四半期(4〜6月期)の決算を発表しました。
売上・利益ともに市場予想を上回り、主力のiPhoneと高利益率のサービス部門が成長を牽引しました。
四半期売上は940億ドルと前年同期比10%増加、営業利益は282億ドル、純利益は234億ドルでいずれも二桁成長を記録。
EPSも1.57ドルに上昇しました。9カ月累計では売上高3,136億ドル、純利益845億ドルと引き続き堅調です。
📌 決算ハイライト(Q3 2025)
- 売上高:940億ドル(前年比+10%)
- 純利益:234億ドル(前年比+9%)
- 営業利益:282億ドル(前年253億ドル)
- EPS(希薄化後):1.57ドル(前年1.40ドル)
- iPhone売上:446億ドル(+13%、Proモデル好調)
- Mac売上:80億ドル(+15%)
- サービス売上:274億ドル(+13%)
- 日本売上:58億ドル(+13%、円高効果あり)
- 株主還元:自社株買い705億ドル、配当115億ドル
- 主なリスク要因:EUデジタル市場法(DMA)による制裁、米司法省による独禁法訴訟、新関税の影響
地域別動向
- 米州:412億ドル(+9%)、iPhoneとサービスが主力。
- 欧州:240億ドル(+10%)、サービス・iPhoneともに好調。
- 中国本土:154億ドル(+4%)だが、9カ月累計では▲4%。
- 日本:58億ドル(+13%)、円高が追い風。
- アジア太平洋その他:77億ドル(+20%)、iPhone・サービス成長が寄与。
製品・サービス別動向
- iPhone:売上13%増、特にProモデルが好調。
- Mac:売上15%増、ノート・デスクトップ双方で需要増。
- iPad:売上▲8%(Pro減少)、ただし9カ月累計では+7%。
- ウェアラブル・ホーム・アクセサリー:売上▲9%。
- サービス:売上13%増、広告・App Store・クラウド好調。
利益率とコスト構造
製品の粗利益率は34.5%(前年35.3%)とやや低下。
新関税や製品構成の変化が要因です。
一方、サービスの粗利益率は75.6%(前年74.0%)に上昇し、収益性改善が顕著です。
研究開発費は89億ドルと前年同期比+11%増加、AI関連やインフラ整備に伴う人件費・設備投資が要因です。販売管理費も66億ドルに増加しました。
キャッシュフローと株主還元
営業キャッシュフローは817億ドル(前年914億ドル)とやや減少しましたが、依然として高水準です。
Appleは2025年5月に1,000億ドルの追加自社株買いプログラムを発表し、第3四半期までに3億1,200万株(約693億ドル相当)を買い戻しました。
配当は1株あたり0.26ドルで、今後も年間ベースでの増配を計画しています。
規制・訴訟リスク
Appleは現在、EUと米国の双方で厳しい規制圧力に直面しています。
- EUデジタル市場法(DMA):欧州委員会は5億ユーロの制裁金を科し、App Store外での取引制限撤廃を命令。さらに最大年商の10%の追加制裁リスクも存在。
- 米司法省の独禁法訴訟:スマートフォン市場での独占的行為を巡る訴訟が進行中。
- Epic Games訴訟:アプリ外課金に関する制限を違法とする判決が下され、刑事法廷への付託も行われています。Appleは全ての案件で控訴中です。
今後の課題と展望
Appleは引き続きiPhoneとサービス事業の強化に注力しつつ、MacやiPadの成長機会を模索します。しかし、
- 関税負担増
- 規制当局との対立
- 為替変動
マクロ経済環境(インフレ・金利)
といった外部要因が今後の業績に影響する可能性は高いと見られます。
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「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。