← トップ

アフラック(AFL)の増配力と株主還元を徹底解説|44年連続増配の魅力

By Staff | 2025-09-17

Category: 配当成長投資

アフラック(Aflac Incorporated、NYSE: AFL)は、米国ジョージア州に本社を置く大手保険会社です。

 

特に日本市場で強いプレゼンスを持ち、がん保険や医療保険の分野で高いシェアを誇ります。

 

日本法人は1974年に設立され、現在では全体収益の大部分を日本事業が占めています。

 

米国企業でありながら日本市場に深く根ざしている点が、同社のユニークな特徴です。

 


 

配当の実績

 

アフラックの最大の魅力は、44年連続増配という実績です。

 

これは米国市場でも数少ない配当成長株としての信頼を示しています。

 

配当推移を振り返ると以下のような成長が確認できます。

 

  • 2015年の年間配当は0.79ドル
  • 2020年には1.12ドルへ上昇(5年間で約42%増)
  • 2023年には1.68ドル、2024年には2.00ドルに拡大
  • 2025年予想では年間配当2.32ドルとされており、10年間で約3倍に増加

 

特筆すべきは配当性向の低さです。直近の予想配当性向は約31%で、利益の3割程度しか配当に回していません。

 

これは他の金融セクター企業と比べても控えめであり、今後の増配余力を十分に残していることを意味します。

 


 

自社株買いを含めた株主還元

 

アフラックは配当だけでなく、自社株買いにも積極的です。

 

市場環境に応じて柔軟に株式を買い戻すことで、EPS(1株当たり利益)の成長を後押しし、株主価値を高めています。

 

配当と自社株買いを組み合わせた「総還元性向」で見ると、株主還元への姿勢がより鮮明に浮かび上がります。

 

この戦略は、株価が割安水準にあるときほど効果を発揮し、長期的な株主リターンに寄与してきました。

 


 

株価推移とトータルリターン

 

具体的な投資リターンをイメージしてみましょう。

 

仮に2015年に株価約30ドルで100株(3,000ドル相当)を購入した場合、当時の年間配当は0.79ドルで、年間79ドルの配当収入がありました。

 

2025年時点では株価が約107ドルに上昇し、評価額は10,700ドルとなります。

 

さらに年間配当は2.32ドルに拡大し、100株から232ドルの配当を受け取ることができます。

 

10年間で累計配当はおよそ1,600ドルに達し、株価上昇と配当を合わせたトータルリターンは約9,300ドル。

 

元本の3倍を超える成果です。

 

このように株価成長と増配が組み合わさることで、配当再投資戦略を取ればさらに強力な複利効果が期待できます。

 


 

財務基盤と収益の安定性

 

アフラックは保険事業を通じて安定したキャッシュフローを生み出しています。

 

保険契約はストック型収益であり、毎年一定の保険料収入が見込めることから、景気変動の影響を受けにくい特徴があります。

 

さらに、日本事業は顧客基盤が厚く、契約更新率も高いため、収益の安定性に寄与しています。

 

為替リスクはあるものの、バランスシートは保守的に運営され、健全性を維持しています。

 


 

成長可能性と課題

 

アフラックの成長可能性は、次のような要素に支えられています。

 

  • 高齢化の進展により医療・がん保険需要が拡大
  • 日本市場での強いブランド認知
  • 新興国市場での保険普及率向上による成長余地

 

一方で課題も存在します。

 

  • 日本市場への依存度が高く、為替動向に影響されやすい
  • 金利環境の変化が運用収益に影響を及ぼす可能性
  • 医療制度改革や規制強化によるリスク

 

これらの要因を踏まえると、短期的な収益変動は避けられないものの、長期的な増配トレンドを揺るがすものではありません。

 


 

投資妙味とポートフォリオでの位置づけ

 

アフラックは「高利回り」銘柄ではありませんが、44年連続増配という実績が示す通り、長期にわたって投資家に安定したリターンをもたらしてきました。

 

利回りは直近で約2.1%と中程度ですが、配当性向の低さを考慮すると今後も着実な増配が期待できます。

 

ポートフォリオにおいては、防御的セクターとしての役割を果たし、景気敏感な銘柄を補完する存在になるでしょう。

 


 

FAQ

 

Q1. Aflacの現在の配当利回りは?


直近の利回りは約2%台半ばです。高配当株と比べると控えめですが、40年以上続く連続増配の実績を考慮すると、着実に配当を伸ばしていく「安定成長型」の魅力があります。

 

Q2. 配当性向が30%前後と低めですが、これは安全ですか?


利益の3割程度しか配当に回していないため、余力は十分にあります。利益の変動や為替の影響を受けても無理なく配当を維持・増加できる水準で、財務の安定性を示しています。

 

Q3. 景気後退時でも安定しているのはなぜですか?


保険という性質上、医療やがん保険など生活に不可欠な需要があるため、景気に左右されにくいのが特徴です。特に日本市場では安定した契約基盤があり、長期的なキャッシュフローの安定性を確保しています。

 

Q4. 自社株買いと配当、どちらに注力しているのですか?


Aflacは配当だけでなく、自社株買いにも積極的です。株数を減らすことで1株当たり利益を押し上げ、配当の持続性を高める効果があります。配当+自社株買いを組み合わせた「総還元力」が高い点が投資家に評価されています。

 

Q5. 長期投資家にとってAflacはどのような位置づけになりますか?


高配当を狙うよりも、安定的な配当成長を求める投資家に適しています。連続増配の実績に加え、株主還元姿勢が明確であるため、長期ポートフォリオの「安定収益源」として組み込むのに適した銘柄といえます。

 

Q6. 配当再投資戦略に向いていますか?


Aflacは短期的な大幅成長は期待しにくいですが、配当を再投資し続けることで複利効果が大きくなります。安定配当を継続する企業ほど、長期のリターンは着実に積み上がるため、再投資型の戦略と相性が良い銘柄です。

 

 

 

Tags: 配当株 AFL
マーケット概況
Profile Image
投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。