
【米国株決算】Alphabet (GOOGL) の2025年Q2決算を解説|売上・利益ともに好調、AIとクラウドに注力
By Staff | 2025-07-27
Category: マーケット情報
2025年7月23日、Googleの親会社であるAlphabet Inc.(ティッカー:GOOGL)は、2025年第2四半期(4〜6月期)の決算を発表しました。
広告収入やクラウドサービスの伸びが業績を押し上げ、売上・利益ともに2桁成長を達成しました。
一方で、法的リスクや規制強化の動きにも注視が必要です。
✅主要業績ハイライト(前年同期比)
- 売上高:964億ドル(+14%)
- 純利益:282億ドル(+19%)
- 希薄化後EPS(1株利益):$2.31(+22%)
- 営業利益:313億ドル(+14%)、営業利益率は32%を維持
- 営業キャッシュフロー:639億ドル(+15%)
資本的支出(CapEx):396億ドル(+57%)
🚀セグメント別の業績
Googleサービス部門(検索・YouTube・アプリなど)
- 売上:825億ドル(+12%)
- 営業利益:331億ドル(+11%)
主な成長要因:モバイル検索広告、YouTube広告(ブランド広告とダイレクトレスポンス)、YouTube PremiumやGoogle Oneのサブスク
Google Cloud部門(クラウドインフラとAI)
- 売上:136億ドル(+32%)
- 営業利益:28億ドル(+141%)
- AIプラットフォーム「Vertex AI」や「Gemini」、Google Workspaceが牽引
クラウドセキュリティ企業Wizを320億ドルで買収予定(2026年完了見込み)
Other Bets部門(自動運転、ヘルスケア等)
- 売上:3.7億ドル(+2%)
- 営業損失:12億ドル(赤字拡大)
依然として研究開発フェーズでの投資が続く
💰株主還元・財務状況
- 現金・有価証券:951億ドル
- 自社株買い:133億ドル(Q2のみ)、累計286億ドル(H1)
- 配当:1株当たり$0.21(前年同期比+5%)、Q2合計26億ドル
長期負債:236億ドル(前期比2倍以上)
→ 2025年5月にドル建て50億ドル、ユーロ建て67.5億ユーロの社債を発行
⚠️法的・規制リスクの現状
Alphabetは現在、米国・EU・日本など世界各国で複数の独占禁止法違反の調査・訴訟に直面しています。
米国司法省による検索市場の独占訴訟:2024年違反認定、2025年8月に最終判断予定。構造的な事業変更の可能性あり。
欧州委員会(EC)によるAndroid、AdSense関連の調査:過去の制裁金に加え、Digital Markets Actに基づく追加調査も進行中。
日本公正取引委員会(JFTC):2025年4月にAndroid契約に関する排除命令を発出。
これらの法的対応による将来の事業への影響は、現時点では「金額の見積り困難」とされています。
🔮今後の見通しと注目点
AIへの積極投資:データセンターや独自AIモデルの開発に巨額投資を継続。
非広告収益の拡大:Google CloudやYouTube Premiumなどが収益の柱として成長中。
税制改正の影響:「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」に伴う法人税改革の影響をQ3以降の決算に反映予定。
マクロ経済の不確実性:グローバル経済動向や金利動向が引き続き注視ポイント。
✍️編集部コメント
Alphabetの2025年Q2決算は、全体として堅調な内容でした。
Google Cloudの利益体質改善やAI関連サービスの強化は、長期的な成長への期待を高めます。
一方で、規制や訴訟リスクは引き続き不確実要素として残っており、今後の動向には注意が必要です。
米国のテック企業への投資を検討している日本の投資家にとっては、Alphabetは成長性とリスクのバランスをよく考慮すべき銘柄と言えるでしょう。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。