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アルファベット(GOOGL)2025年第3四半期決算|売上1,023億ドルと利益拡大、AIインフラ投資が急加速

By Staff | 2025-11-01

Category: マーケット情報

アルファベット(NASDAQ: GOOGL)は2025年10月30日、2025年第3四半期決算を発表しました。


数字を読み解くと、広告とクラウドが引き続き成長しながら、AIインフラ投資を大規模に進めている姿が浮かび上がります。


また、規制対応コストを吸収しつつ、投資収益が純利益を押し上げた四半期でした。

 


 

四半期全体の業績:売上に加え利益も改善

 

売上だけでなく、利益水準も着実に伸びました。

 

・売上高:1,023億ドル(前年同期:882億ドル → +16%)
・営業利益:312億ドル(前年同期:285億ドル → +9.5%)
・純利益:350億ドル(前年同期:263億ドル → +33%)
・EPS:2.87ドル(前年2.12ドル → +35.4%)

 

ポイントは以下の通りです。

 

本業(営業利益)は安定成長
純利益は投資評価益の影響で大きく上振れ
 → その他収益128億ドルのうち、株式評価益が107億ドル

 

つまり、営業活動の利益と投資収益の2つが業績を支えました。

 


 

AIインフラ投資規模が桁違い

 

未来に向けたインフラ基盤の拡大は、過去に例を見ない規模です。

 

・設備投資(1〜9月累計):636億ドル
 (前年:383億ドル → 約253億ドル増)
・まだ開始していないデータセンターリース:426億ドル

 

AI競争の覇権争いにおける“土台づくり”が、本格化していることを示します。

 


 

クラウド事業の利益貢献が拡大

 

Google Cloud の売上は152億ドルで、前年同期比+33.5%。


利益面でも成長が顕著です。

 

・Google Cloud営業利益:35.9億ドル(前年同期19.5億ドル)

 

クラウドは規模拡大に伴い収益性が改善しており、事業ポートフォリオのバランスが変化しつつあります。

 


 

アルファベットは巨大テック+投資会社の側面

 

「Other income(その他収益)」という項目が、純利益押し上げの鍵でした。

 

・その他収益:128億ドル
 → 株式投資評価益が 107億ドル

 

未上場企業を含む投資ポートフォリオが事業収益を補完する仕組みを形成しています。

 


 

セグメント別の動向:広告依存から多収益へ

 

主要収益源の数字は以下が特徴的です。

 

・Google Search & Other:566億ドル(+14.5%)
・YouTube広告:103億ドル(+15.0%)
・Google Network:74億ドル(−2.6%)
・サブスク/デバイス:129億ドル(+20.8%)
・Google Services全体:871億ドル(+13.8%)

 

特にYouTubeを中心とした広告以外の収益成長は、長期視点で重要な変化となります。

 


 

規制コストは「成長企業の宿命」

 

今期の費用押し上げ要因は次のとおりです。

 

・欧州委員会(EC)の広告技術関連制裁金:35億ドル
・その他、プライバシー関連和解なども継続

 

法規制強化の影響が営業利益に及んでいるものの、利益成長を大きく損なう状況ではありません。

 


 

負債と株主資本:投資余力を維持

 

財務面は安定しており、投資耐性が強固です。

 

・長期負債:216億ドル(前年末:109億ドル → 約2倍)
・株主持分:3,869億ドル(約618億ドル増)
・営業キャッシュフロー:1,123億ドル(前年同期比+261億ドル)

 

未来投資と株主還元を両立できる状態が続いています。

 


 

株主還元:自社株買いと配当の両立

 

資本効率向上に向けた還元も継続。

 

・自社株買い:116億ドル(年初来:401億ドル)
・配当:26億ドル
・買戻し枠残高:748億ドル

 

安定したキャッシュ創出力の裏付けとなっています。

 


 

まとめ:現在の収益で未来を築く構図

 

アルファベットがQ3で示した姿を整理すると、

 

・営業利益をしっかり伸ばしつつ
・投資益で純利益がさらに押し上げられ
・AI向けの大規模設備投資が進み
・クラウドの利益貢献が強化され
・規制コストを吸収しながら
・株主還元も両立できている

 

という、「今の強さ」で「未来の強さ」を作る四半期だったと言えます。

 

Tags: 個別株 GOOGL
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。