
ブロードコム(AVGO)の魅力とは?高成長配当株としての実力を徹底解説
By Staff | 2025-09-14
Category: 配当成長投資
米国株投資において「配当株」といえば公益株や金融株を連想する人が多いですが、近年はテクノロジー分野からも安定して配当を出す企業が増えています。
その代表例が半導体大手ブロードコム(AVGO)です。
ブロードコムは高利回り株というより、長期的な配当成長力に強みを持つ「高成長配当株」として注目されています。
本記事では、同社の配当実績や成長ドライバー、リスク要因を整理し、長期投資での魅力を解説します。
企業概要と成長の背景
ブロードコムは半導体設計で世界的な地位を築き、データセンター、ネットワーク機器、5G通信、AI関連サーバーなど幅広い分野に供給しています。
さらに買収を通じてソフトウェアやセキュリティ分野にも進出し、収益基盤を多角化。
2025年時点での時価総額は約6,000億ドル規模に達し、テクノロジーセクターの中でも屈指の存在感を誇ります。
近年はAI関連需要が急拡大しており、主要顧客との長期契約を背景に売上・利益ともに安定成長を続けています。
配当政策と実績
ブロードコムの特徴は、株主還元を「継続的な増配」で実現している点です。
- 2013年の年間配当は約0.92ドル(四半期0.23ドル×4回)。
- 2025年の年間配当は2.36ドル(四半期0.59ドル×4回)。
この12年間で配当は 約2.57倍 に増加し、年平均成長率(CAGR)は 約8.3% に相当します。
単純に高配当を維持するだけでなく、長期的な配当成長を重視していることが数字に表れています。
また、2024年7月に株式10分割を実施しましたが、その後も配当は0.53ドル→0.59ドルへと引き上げられており、分割による見かけ上の変化ではなく「実質的な増配」が続いている点も見逃せません。
配当利回りと株価成長の両立
ブロードコムの配当利回りは2025年時点で約0.6〜0.7%と、一般的な高配当株と比べると低めです。
しかし、株価の成長と組み合わせるとリターンの見え方は大きく変わります。
例えば、2015年に1株約140ドルで投資した場合、2025年には株価が1,800ドル前後にまで上昇。
配当も着実に増えたため、トータルリターンは非常に大きなものとなりました。
つまり「利回りは控えめだが、配当の伸びと株価成長で長期投資家にリターンをもたらす」タイプの銘柄といえます。
成長ドライバー
ブロードコムの配当成長を支える背景には、いくつかの成長要因があります。
- 5Gやクラウド需要の拡大による半導体需要の底堅さ
- データセンター向けAIサーバー市場の拡大
- ソフトウェア・セキュリティ事業による安定収益
- 高い利益率とフリーキャッシュフローの継続的創出
こうした収益基盤の多様化が、増配の持続力につながっています。
投資におけるリスク
もちろん、リスクも存在します。
- 半導体業界特有の需要変動や景気循環の影響
- 買収に伴う負債や統合リスク
- NVIDIAやAMDといった強力な競合との技術競争
- 米中関係や規制リスク
ただしブロードコムは、複数事業を抱えることで単一リスクに依存しにくい体質を築いています。
他の配当成長株との比較
マイクロソフトやアップルなどのテクノロジー企業も配当を実施していますが、増配率や配当の成長性ではブロードコムが一歩抜きん出ています。
伝統的な金融株やエネルギー株に比べると初期利回りは低いですが、長期でみれば配当の伸びがトータルリターンを押し上げる可能性が高い点が特徴です。
長期投資での活用法
ブロードコムは短期の売買向きではなく、長期ポートフォリオの中核に据えるタイプの銘柄です。
- 配当再投資を活用すれば、将来的な買値利回りを高められる
- 他のセクター株やETFと組み合わせることで分散効果を確保できる
- 四半期ごとの安定的な配当は、キャッシュフロー管理にも役立つ
安定したフリーキャッシュフローを背景に、今後も「配当成長ストーリー」が続くと期待できます。
まとめ
ブロードコム(AVGO)は過去10年で配当を約2.57倍に増やし、年平均8%以上の増配を達成しました。
株式分割を経ても配当成長は止まらず、株価の上昇と相まって投資家に長期的なリターンをもたらしています。
「今の利回りは低くても、配当の伸びと株価成長で資産形成に貢献する」——その好例がブロードコムです。
高成長配当株を探す投資家にとって、注目すべき存在であることは間違いありません。
FAQ
Q1. ブロードコムは高配当株ですか?
→ 利回りは0.6〜0.7%程度で高配当株とはいえませんが、増配率が高く「高成長配当株」と位置づけられます。
Q2. 過去10年でどのくらい配当は伸びましたか?
→ 年間配当は2013年の0.92ドルから2025年の2.36ドルへと約2.57倍に成長しました。
Q3. 年平均でどれくらいの増配率ですか?
→ 年平均成長率は約8.3%です。
Q4. 今後も増配は期待できますか?
→ AI需要やクラウド投資の拡大を背景に、フリーキャッシュフローが堅調であり、持続的な増配が見込まれます。
Q5. 投資戦略としてはどのように活用できますか?
→ 高利回り株と組み合わせることで分散効果を高め、長期的に配当成長を取り込む戦略が有効です。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。