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貸借対照表(B/S)の基礎と見方|米国株投資に役立つ初心者向け解説

By Staff | 2025-08-14

Category: 投資の基礎知識

貸借対照表(Balance Sheet)は、企業の一定時点における資産(Assets)負債(Liabilities)、**株主資本(Shareholders’ Equity)**の状況をまとめた財務諸表です。


米国株の場合、四半期ごとにForm 10-Q、年次ではForm 10-Kに掲載されます。


企業の財務体質や安全性を把握するために欠かせない資料であり、長期投資家や配当投資家にとって重要な分析対象です。

 


 

貸借対照表の役割

 

  • 財務の健全性を測る
  • 資金調達や返済能力を確認する
  • 成長余力を見極める
  • 投資判断や融資判断の基礎データとなる

 

米国企業のB/Sを読めるようになると、海外企業の財務状況もスムーズに理解できるようになります。

 


 

貸借対照表の基本構造

 

貸借対照表は大きく3つの部分から構成されます。

 

  1. 資産(Assets)

     

    • Current Assets(流動資産):1年以内に現金化できる資産(現金、売掛金、在庫など)
    • Non-current / Fixed Assets(固定資産):長期的に保有する資産(建物、設備、長期投資など)

     

  2. 負債(Liabilities)

     

    • Current Liabilities(流動負債):1年以内に返済すべき義務(買掛金、短期借入金など)
    • Non-current Liabilities(固定負債):長期的な借入や社債、年金債務など

     

  3. 株主資本(Shareholders’ Equity)

     

    • 株主からの出資金や、これまでに蓄積された利益(利益剰余金)
    • 自己資本比率を計算する際に使用される

       


 

注目すべき財務指標

 

貸借対照表を読むときは、単に数字を見るだけでなく、以下の指標に注目しましょう。

 

  • 自己資本比率(Equity Ratio)


    自己資本 ÷ 総資産 × 100
    財務の安定性を測る重要な指標。

     

  • 流動比率(Current Ratio)


    流動資産 ÷ 流動負債 × 100
    短期的な支払い能力を確認。

     

  • 負債比率(Debt-to-Equity Ratio)


    負債 ÷ 株主資本 × 100
    資本に対する負債の割合を把握。

     

  • ネットキャッシュ(Net Cash)/ネットデット(Net Debt)


    現金・現金同等物と借入の差額を計算し、手元資金の余裕度を確認。

     


 

貸借対照表を読む際のポイント

 

文章とチェック項目を組み合わせて理解を深めましょう。

 

  • 資産の構成比率を確認(現金、有価証券、在庫などの割合)
  • 負債の返済スケジュールと金利負担を把握
  • 無形資産やのれん(Goodwill)の割合に注意
  • 同業他社との比較(Peer Comparison)で相対評価
  • 過去数年の推移で財務体質の変化をチェック

     


 

注意点

 

  • 単年度だけで判断せず、複数年のデータで傾向を見る
  • 一時的な資産・負債の増減は背景を調べる
  • 会計基準(US GAAP / IFRS)の違いによる表示差に注意

     


 

まとめ

 

貸借対照表は企業の「安全性」と「成長余力」を知るための地図です。


Assets、Liabilities、Shareholders’ Equityのバランスを理解することで、米国株投資でも財務分析の精度が高まります。


英語項目にも慣れておくことで、10-Qや10-Kの分析がよりスムーズになります。

 

 

 

Tags: 基礎知識
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。