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バンクファースト(BANF)の32年連続増配と投資戦略:安定配当株の魅力

By Staff | 2025-09-18

Category: 配当成長投資

バンクファースト(BANF)は米国オクラホマ州を中心に事業を展開する地方銀行で、地域密着型のビジネスモデルを強みとしています。

 

大手銀行のような派手さはありませんが、堅実な貸出と預金ビジネスを軸に、安定した利益を積み上げてきました。

 

その結果、投資家に対しても長年にわたり安定した配当を還元してきた点が特徴です。

 


 

配当の基本データ

 

2025年9月時点での株価は131ドル前後、年間配当は1.96ドルとなっており、配当利回りは約1.5%です。

 

利回り自体は高配当株と比べると控えめですが、注目すべきは以下の点です。

 

  • 32年連続で増配を継続
  • 配当性向(FWD)は約27%と余裕のある水準
  • 配当支払いは四半期ごと(年4回)
  • 過去10年で年間配当は2015年の0.70ドルから2025年予想1.96ドルへと約2.8倍に拡大

 

つまり、利回りの高さよりも「安定した増配トラックレコード」にこそBANFの強みがあるといえます。

 


 

配当履歴の推移

 

配当履歴を振り返ると、BANFは一度も減配せずに増配を続けてきました。

 

  • 2010年の年間配当は0.48ドル
  • 2015年には0.70ドル
  • 2020年には1.32ドル
  • 2024年には1.78ドル
  • 2025年の予想は1.96ドル

 

このように地道ながらも着実に成長を積み重ねています。

 

5年平均増配率は約5〜6%程度で、銀行株としては堅実な水準です。

 

特に、2008年のリーマンショックや2020年の新型コロナウイルス感染症パンデミック時においても配当を維持・増配したことは、同社の慎重かつ安定した経営を物語っています。

 


 

株価推移とトータルリターン

 

株価の面でも、BANFは長期的に堅調な動きを見せています。


仮に2015年初めに株価約50ドルで100株(約5,000ドル)を購入していた場合を考えてみましょう。

 

  • 2025年の株価は131ドルに上昇
  • 含み益は約8,100ドル(+162%)
  • この間に累計で約14ドルの配当を受け取り、総額1,400ドルほどの配当収入
  • 株価上昇と配当を合わせると、投資元本5,000ドルが約9,500ドル以上に成長

 

インカムゲインは控えめながらも、キャピタルゲインを含めたトータルリターンは十分に魅力的といえます。

 


 

成長要因と今後の展望

 

BANFの成長を支える要素は以下の通りです。

 

  • 地域経済の拡大による融資需要の増加
  • 保守的な融資姿勢による貸倒リスクの低減
  • 配当性向に余裕があり、今後も増配余地がある
  • 地方銀行ならではの顧客基盤の強さ

 

一方で、金利の変動に業績が影響を受けやすいという銀行株特有の性質もあります。

 

FRBの利下げ局面では利ざや縮小が利益を圧迫する可能性がありますが、過去の実績から見てもBANFは慎重な経営で安定を維持してきました。

 


 

リスク要因

 

もちろん、投資にリスクはつきものです。

 

BANFに関しては以下の点が挙げられます。

 

  • 金利低下による利ざやの縮小
  • 地域経済への依存度が高い点
  • 大手銀行やフィンテック企業との競争
  • 規制強化による成長制約

 

ただし、配当性向が低く、財務健全性も比較的高いため、急激な減配リスクは小さいと見られます。

 


 

投資戦略の視点

 

BANFは「高配当銘柄」というよりも「安定配当・増配株」として位置づけられます。

 

  • 利回りよりも配当成長を重視する長期投資家に適する
  • 大手銀行株と組み合わせてセクター分散を図る戦略に有効
  • インデックス投資の補完として、安定的なキャッシュフローをポートフォリオに加える意味がある

 

特に、32年連続増配という実績は長期投資の安心材料となり得ます。

 


 

FAQ

 

Q1. BANFの配当利回りは高い方ですか?


配当利回りはおよそ1.5%と控えめで、いわゆる高配当株と比べると見劣りします。しかし、連続増配実績が32年に及ぶ点は非常に強力な特徴で、長期的に見れば着実に配当収入を積み上げることができます。安定性を重視する投資家にとっては、利回りの低さ以上に信頼性の高さが魅力となります。

 

Q2. 減配のリスクはありますか?


銀行株である以上、景気や金利の変動による収益圧迫の可能性は避けられません。ただしBANFの配当性向は27%程度と低く、利益の多くを内部留保に回す余地があります。そのため急激な収益悪化がない限り、減配リスクは限定的と考えられます。

 

Q3. 金利が下がると業績に影響しますか?


銀行の収益は貸出金利と預金金利の差、いわゆる利ざやに大きく依存しています。FRBの利下げ局面では利ざやが縮小し、収益にマイナスの影響が出やすいです。ただしBANFは保守的な貸出姿勢を持ち、また地域密着型で安定的な顧客基盤を有しているため、大手銀行に比べると安定性が高いといえます。

 

Q4. 長期投資に向いていますか?


32年連続増配という実績自体が長期投資における安心感につながります。利回りは控えめですが、配当成長と株価上昇を組み合わせることでトータルリターンを高めることが可能です。短期的な値上がり益を狙うよりも、長期の安定収入を目的とする投資家に適しています。

 

Q5. 他の地方銀行株と比べた強みは何ですか?


BANFはオクラホマ州を中心に地域密着で展開しており、顧客基盤の安定性が強みです。また、同規模の地方銀行と比べても長期にわたる増配実績は希少であり、「連続増配銘柄」としての安心感は投資判断の大きな要素となります。

 

Q6. 利回りが低いのに投資する意味はありますか?


一見すると1.5%という利回りは物足りなく映ります。しかし、毎年数%の増配が積み重なれば、将来的に受け取る配当額は大きく膨らみます。配当再投資を組み合わせれば複利効果も働き、長期保有で十分な成果が期待できます。

 

Q7. 配当再投資をした場合の効果はどのくらいですか?


過去10年で配当を再投資していた場合、株価上昇分と合わせて年率6〜7%程度のリターンが期待できたと試算されます。キャピタルゲインが主役の銘柄ではありますが、配当再投資がリターンをさらに押し上げる効果を発揮します。

 

Q8. 景気後退時に配当はどうなりますか?


2008年のリーマンショックや2020年のコロナ危機でも、BANFは減配せず増配を継続しました。銀行株全体に逆風が吹いた時期でも安定していた点は大きな安心材料です。

 

Q9. 将来的に高配当株になる可能性はありますか?


現時点では高配当株とはいえませんが、配当性向が低く増配余地があるため、長期的に配当利回りが水準以上に成長する可能性はあります。特に株価が横ばいとなる局面では、相対的に配当利回りが上昇するケースも想定されます。

 

Q10. ポートフォリオに組み入れる際の位置づけは?


高配当ETFや大手銀行株に比べると利回りでは劣りますが、安定した配当成長が期待できる銘柄として、ポートフォリオの「安定枠」として活用するのが適しています。特に成長株中心のポートフォリオを補完する役割を果たします。

 

 

Tags: 配当株 BANF
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。