
フランクリン・リソーシズ(BEN)の配当履歴と将来展望:45年連続増配と高配当利回りの魅力
By Staff | 2025-09-18
Category: 配当成長投資
フランクリン・リソーシズ(ティッカー:BEN)は、米国カリフォルニア州に本社を置く独立系資産運用会社です。
「フランクリン・テンプルトン」のブランドで知られ、投資信託やETFをはじめとする運用商品を世界中の顧客に提供しています。
運用資産残高(AUM)は市場環境に応じて変動しますが、長期にわたり業界有数の規模を維持しています。
資産運用会社の特徴として、景気拡大期には運用残高が増え利益が伸びやすい一方、市場が下落すると収益が減りやすいという性質があります。
その中でもBENは株主還元を重視し、安定的に配当を支払い続けてきました。
配当の基本データ
2025年9月時点での株価は24.2ドル前後、年間配当は1.28ドルとされており、配当利回りは5.3%に達します。
これは金融セクター平均や米国株全体と比べても高水準です。
- 配当利回り:約5.3%
- 配当性向:51%前後
- 配当支払い:四半期ごと(年4回)
- 45年連続増配の実績
利回りの高さは投資家にとって魅力的ですが、同時に業績と市場環境に左右されやすい点も理解しておく必要があります。
配当履歴の推移
BENの配当履歴を振り返ると、長期にわたり増配を継続してきたことがわかります。
- 2015年の年間配当:0.63ドル
- 2020年の年間配当:1.09ドル
- 2023年の年間配当:1.21ドル
- 2024年の年間配当:1.25ドル
- 2025年予想配当:1.28ドル
10年でほぼ倍増しており、平均すると年率5%前後の成長となります。
ただし直近数年は増配ペースが緩やかになっており、利益成長の鈍化が背景にあると考えられます。
株価推移とトータルリターン
株価は過去10年で大きな上昇は見られず、むしろ横ばい〜やや下落気味の傾向が続いています。
2015年には40ドルを超えていた株価が、現在は24ドル前後にとどまっています。
仮に2015年初頭に株価42ドルで100株(約4,200ドル)を購入した場合を考えましょう。
- 現在の株価24ドルでは評価額は2,400ドルに減少
- 含み損は約1,800ドル(▲43%)
- 一方で10年間の配当累計は約12ドル/株、100株で1,200ドルを受け取った計算
- 株価下落を配当が部分的に補った形で、トータル損益は▲14%程度
つまりBENはキャピタルゲインを狙う銘柄ではなく、インカムゲイン重視の投資対象といえます。
株主還元策の特徴
BENは配当に加えて自社株買いも行っています。
運用環境が良好なときは株主還元余力が増え、増配や買い戻しが積極的に実施される傾向にあります。
一方で市場が低迷すると利益が圧迫され、増配ペースが鈍化することもあります。
今後の成長要因
フランクリン・リソーシズの将来展望を支える要素として以下が挙げられます。
- 世界的なリタイアメント需要の拡大に伴う投資資金の流入
- 新興国市場での資産運用需要の拡大
- ETFやパッシブ投資商品の強化
- フィンテック導入による効率化
長期的には資産運用業界全体が拡大基調にあるため、BENにとっても成長の余地は残されています。
リスク要因
同時に以下のようなリスクも存在します。
- 株式市場の低迷による運用資産減少
- パッシブ運用競争による手数料低下
- 業界再編や規制強化の影響
- 為替変動リスク
特に近年は低コストETFの普及が進み、従来型ファンドの収益性が低下している点は注意が必要です。
投資戦略の視点
BENは株価成長よりも配当収入を重視する投資家に適した銘柄です。
- 高配当利回りを求める投資家向け
- 配当を再投資することで複利効果を狙える
- 株価の安定性は低いため、分散投資の一部として位置づけるのが望ましい
- 金融セクターETFとの組み合わせも検討に値する
FAQ
Q1. BENの配当利回りはどのくらいですか?
直近で5%を超えており、金融セクター内でも高水準にあります。
Q2. 減配したことはありますか?
基本的に増配を続けていますが、増配ペースが緩やかになった時期はあります。大きな減配は直近では見られません。
Q3. 配当の安全性は高いですか?
配当性向は約51%で、収益に余裕はあるものの、業績悪化局面では配当維持が課題になる可能性があります。
Q4. BENは長期保有に適していますか?
キャピタルゲインよりも安定配当を重視する投資スタイルには適しています。株価下落リスクを理解した上で、インカム狙いで長期保有するのが現実的です。
Q5. 配当再投資をするとどんな効果がありますか?
仮に配当を再投資していれば、トータルリターンは株価横ばい局面でも年率3〜4%程度に改善する可能性があります。
Q6. 他の金融株と比べた特徴は?
銀行株のように金利変動の直接的影響は少ないものの、市場全体の動向に左右されやすい点が特徴です。
まとめ
フランクリン・リソーシズ(BEN)は45年連続増配という強力な実績を持ちながら、配当利回りは5%超と高水準にあります。
一方で株価は長期的に下落傾向にあり、キャピタルゲインには期待しにくい銘柄です。
高い配当を安定的に受け取りたい投資家にとって、ポートフォリオの一部として活用する価値は十分にあるといえるでしょう。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。