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ブリストル・マイヤーズ(BMY)の配当履歴と投資判断:安定配当の魅力と課題

By Staff | 2025-09-14

Category: 配当成長投資

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(Bristol-Myers Squibb, BMY)は、ニューヨーク証券取引所に上場する米国大手製薬会社です。

 

免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ(Opdivo)」や抗凝固薬「エリキュース(Eliquis)」を主力製品とし、がんや免疫疾患の治療において世界的に重要な地位を占めています。

 

2019年にはセルジーンを買収し、血液がん領域を強化するなど、積極的な戦略を展開しています。

 


 

配当履歴の推移

 

BMYは長年にわたり配当を支払い続けてきました。

 

2015年の年間配当は1.49ドルでしたが、2025年には2.46ドルへと増加し、この10年間で約65%の増配を実現しました。

 

年平均成長率(CAGR)は約5%で、安定的に配当を積み上げてきたことがわかります。

 

具体例として、2015年に100株を保有していた場合、当時の年間配当収入は149ドルでした。

 

それが2025年には246ドルとなり、97ドルの上乗せ収入を得られる計算です。

 

爆発的な成長ではないものの、確実に増配を重ねてきたことが投資家に安心感を与えています。

 


 

現在の配当水準と利回り

 

直近の四半期配当は1株あたり0.62ドルで、年間換算では2.48ドル。

 

株価水準から算出される配当利回りはおよそ5%超と高水準にあります。

 

これは米国市場全体の平均利回り(約1.5%前後)を大きく上回り、高配当株としての位置づけを明確にしています。

 


 

配当性向と持続可能性

 

BMYの配当性向は概ね60〜100%近辺で推移しており、利益の多くを株主還元に充てています。

 

これは投資家にとって魅力的ですが、利益が減少した場合には増配余地が小さいことを意味します。

 

その一方で、エリキュースやオプジーボといった大型薬剤の売上が強く、安定したキャッシュフローを生み出しているため、当面の減配リスクは限定的と考えられます。

 


 

投資家にとってのメリット

 

  • 配当利回りが5%を超える高水準
  • 10年間で65%の増配実績
  • 景気変動に左右されにくい製薬セクターの安定性
  • 長期的なインカム収入源として組み込みやすい

 

特に、安定収入を重視する配当投資戦略において、BMYは有力候補となります。

 


 

リスクと注意点

 

ただし、以下のリスクには留意が必要です。

 

  • 主力薬の特許切れ(パテントクリフ)による売上減少
  • 新薬開発の成功・失敗が業績を大きく左右
  • 政策リスク(米国政府による薬価引き下げ)
  • 配当性向が高めで柔軟性が低い

 

これらの点を踏まえ、配当収入を得ながらリスク分散を図ることが重要です。

 


 

他の製薬株との比較

 

  • アッヴィ(ABBV):配当利回り3%台だが、増配率はCAGR12%超と高成長。
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ):60年以上の連続増配を誇る安定株。
  • ファイザー(PFE):利回りは高いが、近年の株価低迷でトータルリターンはやや劣後。
  • ブリストル・マイヤーズ(BMY):利回りは高く、増配率は堅実。安定配当志向の投資家に適する。

 


 

まとめ

 

ブリストル・マイヤーズ(BMY)は、過去10年間で65%の増配を実現し、配当利回り5%超という高水準を維持しています。

 

配当性向はやや高めであるものの、主力薬剤の強さと安定したキャッシュフローを背景に、今後も安定的な配当を期待できる銘柄といえます。

 

短期的な株価変動や特許リスクはあるものの、安定したインカム収入を求める投資家にとってポートフォリオに加える意義は十分にあるでしょう。

 


 

FAQ

 

Q1. BMYの現在の配当利回りはどのくらいですか?


→ 直近では約5%超で推移しており、米国市場平均を大きく上回る高水準です。インカム投資を重視する投資家にとって魅力的な数字です。

 

Q2. 過去10年間でどの程度の配当成長がありましたか?


→ 2015年の年間配当は1.49ドルでしたが、2025年には2.46ドルへと増加しました。約65%の増配で、年平均成長率(CAGR)は約5%です。

 

Q3. 配当性向はどのような水準ですか?


→ 配当性向はおおむね60〜100%近辺と高めです。利益の多くを株主還元に回しているため、短期的には投資家に有利ですが、利益が減少すると柔軟性が低下する可能性があります。

 

Q4. 減配のリスクはありますか?


→ 現在はエリキュースやオプジーボなどの大型薬剤が収益を支えており、直近での減配リスクは低いと考えられます。ただし、パテントクリフや規制リスクが現実化すれば、将来的に配当政策に影響を与える可能性は否定できません。

 

Q5. 主力薬の特許切れは配当にどのように影響しますか?


→ 特許切れにより売上が減少すると利益圧迫につながり、配当余力が縮小する恐れがあります。BMYは新薬パイプラインの強化でこれを補う戦略を取っていますが、完全に回避するのは難しい課題です。

 

Q6. 他の製薬株と比べた場合の特徴は何ですか?


→ アッヴィ(ABBV)は配当成長率が高く、JNJは連続増配の実績で安定性が際立ちます。BMYは両者の中間に位置し、「高利回り+堅実な増配」という特徴を持っています。

 

Q7. BMYは長期投資に適していますか?


→ 配当利回りが高く、過去10年で着実に増配しているため、安定収入を重視する長期投資には適しています。キャッシュフローが安定している点も安心材料です。

 

Q8. 配当以外に株主還元策はありますか?


→ 一部の年度では自社株買いを実施しており、総還元性向を引き上げています。ただし、配当に比べると自社株買いの頻度や規模は安定していません。

 

Q9. 為替リスクは考慮すべきですか?


→ 米国株であるため、ドル建て配当を円に換算する際に為替の影響を受けます。円高局面では配当収入が目減りする可能性があり、為替ヘッジをどう考えるかも投資判断の一部となります。

 

Q10. 今後の増配余地はどの程度ありますか?


→ 配当性向が高めであるため、二桁成長は期待しにくいものの、年率3〜5%程度の増配は今後も継続できる可能性が高いです。新薬開発や収益拡大がうまくいけば、それ以上の余地も考えられます。

 

Q11. BMYに投資する上での最大のリスクは何ですか?


→ 特許切れによる収益減少、新薬開発の失敗、薬価規制の強化が主なリスクです。これらが同時に重なると配当政策の見直しを迫られる可能性もあります。

 

Q12. 短期的な株価下落局面は投資機会になりますか?


→ 配当利回りが上昇するため、長期的なインカム狙いの投資家にとっては好機となり得ます。ただし、下落要因が構造的リスク(特許切れや規制)であれば注意が必要です。

 

Q13. 配当再投資を行った場合の効果は?


→ 年平均成長率5%で増配が続いた場合、配当を再投資することで長期的な複利効果を享受できます。特に高利回り銘柄であるため、再投資戦略との相性は良好です。

 

 

Tags: 配当株 BMY
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。