
クーポン利率と実効利回りの違いとは?米国債投資で失敗しないための基礎知識
By Staff | 2025-06-16
Category: 米国債
米国債をはじめとする債券投資では、「クーポン利率」や「実効利回り(Yield to Maturity/YTM)」といった言葉がよく出てきます。
どちらも「利回り」に関係しますが、それぞれ意味も使い方も大きく異なります。
本記事では、これらの用語の違いと、それぞれがどのような場面で重要になるのかをわかりやすく解説します。
クーポン利率とは?
クーポン利率とは、債券が発行されたときに決められる額面に対する年利率のことです。
- 「クーポン」とは、定期的に支払われる利息のこと
- 債券の額面金額(通常は1,000ドル)に対して、毎年どれだけの利息が支払われるかを示す
たとえば、額面1,000ドルでクーポン利率が5%なら、年間50ドルの利息を受け取る
この利率は発行時に固定されており、満期まで変わりません。
そのため、定期的なインカム収入を得たい投資家にとっては、重要な指標となります。
実効利回り(Yield to Maturity)とは?
実効利回りとは、現在の市場価格で債券を購入し、満期まで保有した場合に得られるトータルの年間利回りを示す指標です。
具体的には、以下を考慮して計算されます:
- 毎年のクーポン利息
- 満期時に返ってくる元本(額面)との価格差(プレミアムやディスカウント)
債券の残存期間(満期までの年数)
たとえば、市場価格が額面より安く買えた場合、満期時に差額分が利益となるため、実効利回りはクーポン利率より高くなります。
逆に、市場価格が額面より高ければ、実効利回りは低くなります。
両者の違いを比較してみよう
クーポン利率と実効利回りの違いを簡潔にまとめると、以下のようになります:
- クーポン利率:あくまで額面に対する利息。価格の変動とは無関係。
実効利回り:現在の市場価格をもとに計算される、実質的なリターン。
つまり、**クーポン利率は「どれだけの利息が支払われるか」**を示し、**実効利回りは「実際にいくら儲かるか」**を示すものです。
投資判断を行う際は、両方をバランスよく見ることが大切です。
実際の米国債投資での使い方
米国債を購入する際には、以下のような点に注意しましょう:
- 市場価格が変動するため、実効利回りは日々変わる
- クーポン利率が高くても、プレミアム価格で買えばYTMは低くなる
- 逆に、ディスカウント債ならYTMがクーポン利率を上回ることがある
満期まで保有する前提でYTMは意味を持つ(途中売却では変わる)
特に、今後の金利動向やインフレ見通しに応じて、実効利回りを重視する投資家が増えています。
どちらを重視すべき?
目的によって見るべきポイントが異なります:
- 定期的な利息収入を得たい場合 → クーポン利率を重視
総合的な投資リターンを評価したい場合 → 実効利回り(YTM)を重視
たとえば、退職後の生活資金として安定した収入を重視するなら、高クーポンの債券が魅力的です。
一方、割安な価格で買ってリターンを最大化したいなら、YTMの高い債券が投資対象になります。
まとめ:債券投資の第一歩として
- クーポン利率は「利息」、実効利回りは「総合的な投資リターン」
- 市場価格に左右される実効利回りの理解は、賢い投資判断に欠かせない
- 両者を正しく理解し、自分の目的に合った債券を選びましょう
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。