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【GS決算】Goldman Sachs 2025年Q2決算|EPS・収益ともに2桁成長、配当増で株主還元も強化

By Staff | 2025-07-29

Category: マーケット情報

2025年7月16日、米大手金融機関ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs、ティッカー:GS)は第2四半期(Q2)決算を発表しました。

 

投資銀行業務の堅調さが全体の収益とEPS成長を牽引し、配当も大幅に引き上げられました。

 

一方で、資産運用部門には若干の逆風も見られました。

 


 

✅主要業績ハイライト(前年同期比)

 

  • EPS(希薄化後):$10.91(+26.5%)
  • 純利益:37.2億ドル
  • 売上高:145.8億ドル(+15%)
  • ROE(自己資本利益率):12.8%
  • 配当:1株あたり$4.00(前年$3.00、+33%)
  • 自社株買い:30億ドル(530万株、平均取得価格$564.57)
  • 株主還元合計:39.6億ドル
  • Book Value Per Share:$349.74(年初来+3.9%)

 


 

🧩部門別業績

 

◆ Global Banking & Markets(投資銀行・トレーディング)

 

  • 売上:101.2億ドル(+24%)

     

  • 投資銀行手数料:21.9億ドル(+26%)
    • アドバイザリー(M&A中心):11.7億ドル
    • 株式引受:横ばい
    • 債券引受:レバレッジファイナンスの低下でやや減少

       

  • FICC部門(債券・通貨・コモディティ):
    • 売上:34.7億ドル(+9%)
    • モーゲージ・ストラクチャードローン関連が牽引

       

  • 株式部門(Equities)
    • 売上:43億ドル(+36%)
    • キャッシュプロダクトとデリバティブ取引が好調
    • ポートフォリオファイナンスによる収益も増加

       

◆ Asset & Wealth Management(資産・富裕層運用)

 

  • 売上:37.8億ドル(−3%)

     

  • 減少要因
    • プライベートエクイティなど株式投資での評価益減少
    • 債券投資でも金利収入の減少とヘッジ損失

       

  • 一部の増加要因
    • 運用報酬、貸付業務、インセンティブ報酬の上昇

       

  • 運用資産(AUS):3.29兆ドル(前期比+3.8%)

     

◆ Platform Solutions(コンシューマー・テック等)

 

  • 売上:6.85億ドル(+2%)
  • コンシューマー向けプラットフォームは微増、トランザクションバンキングは減少

 


 

💵コスト・バランスシート・リスク

 

  • 信用損失引当金:3.84億ドル(+36%)
    → クレジットカード・ホールセールポートフォリオの拡大が要因

     

  • 営業費用:92.4億ドル(+8%)
    → 報酬増・取引コスト増が影響、訴訟関連費用は減少

     

  • 効率性比率(費用÷収益):62.0%(前年63.8%)

     

  • 税率(実効):20.2%(Q1比上昇)→ ストック報酬の節税効果が縮小

     

  • グローバル流動性資産:4,620億ドル(Q1比+4.7%)

     

  • 従業員数:45,900人(Q1末比−2%)

     


 

🌍地域別売上構成(Q2)

 

  • アメリカ大陸:89.8億ドル(全体の62%)

     

  • EMEA(欧州・中東・アフリカ):38.1億ドル(26%)

     

  • アジア:17.9億ドル(12%)

     


 

🔮今後の見通しとリスク要因

 

Goldman Sachsは将来の見通しに関し、「経済の不透明性、証券市場のボラティリティ、貿易政策の変更、信用市場の状況」などが業績に影響を与える可能性があると注意喚起しています。

 

投資家は、同社の**Form 10-K(2024年版)**に記載されたリスクファクターの確認が推奨されています。

 


 

✍️編集部コメント

 

Goldman Sachsの2025年Q2決算は、投資銀行ビジネスが順調に回復・拡大していることを示す好材料となりました。

 

EPSは前年比+27%、ROEも二桁台を維持しており、収益性の高さが目立ちます。

 

また、1株配当を33%も増やすなど、株主還元にも積極的な姿勢が見られました。

 

一方で、資産運用部門では評価益の減少が響いており、マーケット環境による影響も引き続き注視が必要です。

 

それでも、総合的に見れば、堅調な業績と高い資本効率は中長期投資家にとって魅力的なポイントと言えるでしょう。

 

 

Tags: 個別株 GS
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投資忍者 プロフィール

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「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。