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相場予測をしない運用の強み|インデックス投資で長期リターンを得る方法

By Staff | 2025-08-23

Category: インデックス投資

株式投資に取り組むとき、多くの人が気になるのは「次は上がるのか、それとも下がるのか」という相場の行方です。

 

証券ニュースやSNSを見れば、専門家やアナリストが毎日のように予測をしていますが、短期的な株価の動きを正確に当て続けることは現実的にほぼ不可能です。

 

そんな中で注目されているのが「相場を予測しない運用」という考え方です。

 

市場の未来を読もうとするのではなく、市場全体に幅広く分散し、長期で投資を続けることで成果を得るというシンプルな戦略です。

 

予測に頼らないからこそ感情に振り回されにくく、継続しやすいというメリットがあります。

 

この記事では、相場を予測しない投資の特徴や強みを整理し、長期的な資産形成につなげる方法を解説していきます。

 


 

相場予測が難しい理由

 

株価は経済指標や企業業績、金利の動向、政治イベントなど、複数の要因に影響されます。

 

これらは相互に複雑に絡み合っており、短期的な予測はプロの投資家であっても安定して当てることができません。


たとえば2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックは、多くの専門家が事前に正確に予測できなかった代表的な例です。

 

市場は人々の心理や予期せぬ出来事によって大きく揺れ動くため、予測に依存する投資はリスクが高いのです。

 


 

予測をしない運用とは?

 

インデックス投資における「予測をしない運用」とは、市場全体を対象としたETFや投資信託を長期で保有することです。

 

株価の上下を気にして売買を繰り返すのではなく、

 

  • 定額を毎月コツコツと積み立てる

     

  • 市場の動きに一喜一憂せず保有を続ける
    といった仕組みを通じて、自然に複利効果を得ていくことを指します。

 


 

相場予測をしない運用の強み

 

このスタイルにはいくつかの明確な強みがあります。

 

感情に左右されにくい

 

相場が急落すると「もう耐えられない」と売ってしまう人も多いですが、予測を前提としない投資ではあらかじめ長期保有を前提にしているため、冷静に続けやすいという特徴があります。

 

時間と労力を節約できる

 

経済ニュースや為替動向を毎日追う必要がなく、余計な売買判断に時間を取られることがありません。

 

忙しい人でも手間なく続けられる投資法です。

 

長期的な平均リターンを狙える

 

S&P500の過去の実績を見ると、長期的な平均リターンは年率6〜7%程度。

 

市場に居続けるだけで、この水準のリターンを得られる可能性が高くなります。

 

相場を読むことに成功しなくても、歴史的に十分魅力的な成果が期待できるのです。

 


 

データで見る長期の成果

 

S&P500は過去100年で何度も大きな下落を経験しました。

 

  • 2000年のITバブル崩壊:3年で約50%下落
  • 2008年のリーマンショック:約1年半で50%以上下落
  • 2020年のコロナショック:わずか1か月で30%下落

 

それでも、その後の回復を経て株価は過去最高値を更新し続けています。

 

20年以上保有した場合、マイナスリターンになる確率は歴史的にほぼゼロに近いとされます。


つまり、短期的な予測に頼らず「市場に居続ける」ことで、結果的に高い確率で成果を得られることが分かります。

 


 

実践方法

 

相場予測をしない投資を実践するには、以下のような方法が有効です。

 

  • 積立NISAやiDeCoの活用


    米国株インデックスファンドを定期的に積み立てる仕組みを利用することで、自然と長期投資が可能になります。

     

  • ドルコスト平均法を活かす


    相場が上がっても下がっても一定額を投資することで、高値掴みを避け、平均購入単価を抑える効果が期待できます。

     

  • ルールを決めて守る


    下落時に「一度売って様子を見よう」と思わず、あらかじめ「売らずに積み立て続ける」と決めておくことが大切です。

     


 

まとめ

 

相場の先行きを当てることは誰にとっても難しく、長期的に成功できる投資家はごくわずかです。

 

その一方で、予測をせず市場全体に投資を続けるインデックス投資は、感情的な判断を避け、時間と労力を節約しながら平均的なリターンを得られる合理的な戦略です。

 

暴落や調整局面を経験しても、歴史的に市場は回復し続けてきました。

 

長期的に見れば「市場に居続ける」というシンプルな姿勢が、最も高い確率で成果につながります。

 

この「相場を読まない」という発想は、ボーグルが説いた「低コスト・長期・シンプル」の投資哲学とも一致しています。

 

より体系的にその背景を理解したい方は、ジョン・ボーグルの投資哲学|低コスト・長期・シンプルが導く資産形成の道 をあわせてご覧ください。

 


 

よくある疑問と回答(FAQ)

 

Q4. 暴落時に追加投資をした方がよいですか?


A. 余裕資金がある場合、暴落時に追加投資をすることは長期的に有利に働く可能性があります。実際に、リーマンショック後やコロナショック後に積極的に買い増しした投資家は、その後の大幅な回復局面で大きなリターンを得ました。ただし、無理をして資金を投入すると生活資金を圧迫する危険もあるため、「余剰資金の範囲内でコツコツ追加投資する」という姿勢が望ましいです。

 

Q5. インデックス投資でも銘柄やETFの選び方は重要ですか?


A. 予測をしない投資であっても、どのインデックスに連動する商品を選ぶかは重要です。米国株であればS&P500に連動するETF(VOOやIVVなど)が王道ですが、全世界株に分散できるVTやeMAXIS Slim全世界株式といった商品もあります。投資の目的やリスク許容度に合わせて選択することが大切です。

 

Q6. 予測をしない投資でもリバランスは必要ですか?


A. はい。株式と債券を組み合わせている場合、長期で放置すると株式の比率が大きくなりすぎることがあります。そのため、年に1回など定期的にリバランスを行うことでリスクをコントロールできます。リバランスは「相場を読む行為」ではなく、「ポートフォリオを守る仕組み」なので、予測をしない運用とも両立します。

 

Q7. 長期で投資を続ける場合、出口戦略はどう考えればよいですか?


A. 投資を続けることがゴールではなく、将来の資金需要に応じて取り崩す計画も重要です。たとえば、老後の生活資金に備える場合は「4%ルール」を参考に、資産の一部を定率で取り崩す方法があります。また、必要な時期が近づいたら債券比率を増やしてボラティリティを抑えるのも有効です。

 

Q8. インデックス投資は退屈に感じてしまうのですが大丈夫でしょうか?


A. 予測をしないインデックス投資は、日々の刺激が少なく退屈に感じることもあります。しかし、その「退屈さ」こそが成功の秘訣です。短期的な売買を繰り返すよりも、淡々と積み立て続けることで複利の力が最大限に発揮されます。投資を「エンタメ」ではなく「資産形成の仕組み」と捉えることが大切です。

 

Tags: インデックス投資

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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。