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ITバブル期にNASDAQへ投資していたら:ドルと円でのリターンを検証

By Staff | 2025-09-06

Category: インデックス投資

1990年代後半、インターネット関連企業への期待が急拡大し、NASDAQは歴史的な急騰を記録しました。

 

いわゆるITバブル(ドットコムバブル)です。

 

しかし2000年を境にバブルは崩壊し、多くの投資家が大きな損失を経験しました。

 

もし当時NASDAQに投資していたら、どのような結果になっていたのでしょうか。

 


 

NASDAQの上昇と崩壊

 

  • 1995年:NASDAQは約1,000ポイント
  • 2000年3月:ピークで5,048ポイントに到達(5年で約5倍)
  • 2002年10月:約1,100ポイントまで下落(ピークから約-78%)

 

年率換算では1995〜2000年の上昇は40%を超える驚異的なものでしたが、その後の暴落は世界経済に衝撃を与えました。

 


 

投資シミュレーション(ドル建て)

 

もし2000年3月のピーク時に1万ドルを投資した場合、その後の資産推移は次のようになります。

 

  • 2002年:1万ドル → 約2,200ドル(-78%)
  • 2015年:ようやく約1万ドルに回復(元本回復に約15年)
  • 2025年:NASDAQは約17,000ポイントとなり、1万ドルは約33,000ドル(約3.3倍)

 

一方で、1995年に1万ドルを投資していた場合、2000年には約50,000ドルに増え、その後暴落で大きく減価しましたが、2025年には約56万ドルに達しています。

 


 

円建てでのリターン

 

日本の投資家にとっては為替の影響も無視できません。

 

  • 2000年のドル円相場:約105円
  • 2025年のドル円相場:約145円

     

もし2000年に100万円をドル転(約9,523ドル)してNASDAQに投資した場合:

 

  • 2002年には約2100ドル → 約22万円(大幅減少)
  • 2015年には元本付近を回復
  • 2025年には約31,500ドル → 約457万円(円ベースで4.5倍)

     

1995年に100万円を投資(当時の為替は約100円/ドル)した場合は、2025年には円ベースで約8,000万円以上に成長しています。

 


 

ITバブルから学べる教訓

 

ITバブルは短期的な熱狂に乗った一括投資のリスクを示す一方で、長期投資の力も証明しました。

 

  • ピークで投資した人は元本回復に15年を要した
  • しかし保有を続けた人は2025年までに大きなリターンを得ている
  • 暴落時も積立投資を続けた場合、安値での買い増しにより平均取得単価が下がり、結果的に高いリターンを実現できた

 


 

現在のNASDAQと今後の展望

 

2020年代に入り、NASDAQはGAFAや半導体、AI関連銘柄の成長に支えられ、バブル期を大きく超える水準まで成長しました。

 

ボラティリティは依然として高いですが、長期視点では米国経済の成長を象徴するインデックスです。

 


 

まとめ

 

ITバブル期にNASDAQに投資していたら、短期的には大きな損失を経験しました。

 

しかし長期保有や積立投資を継続した投資家は、最終的に大きなリターンを得ることができました。

 

ドル建てでは約3〜5倍、円建てでも数倍の成果を得られ、長期投資の有効性を示す事例といえます。

 


 

FAQ

 

Q1. 2000年のピークで投資した人はどうなった?


その後の暴落で資産は-78%となり、元本回復には約15年かかりました。

 

Q2. 1995年に投資していたらどうなった?


1995年から2025年まで保有すれば、1万ドルが約56万ドルに成長。円換算でも数千万円規模のリターンです。

 

Q3. 為替の影響はどの程度ありましたか?


2000年から2025年でドル円は105円から145円へ円安に進みました。これによりドル建て3.3倍の投資は円建てでは約4.5倍に拡大しました。

 

Q4. 一括投資と積立投資では結果が違いますか?


ピークでの一括投資はリスクが高く、回復に長期間が必要でした。積立なら安値で買い増しでき、平均取得単価を下げて効率よく資産を増やせました。

 

Q5. S&P500とNASDAQの違いは?


S&P500は分散性が高く安定、NASDAQはテクノロジー比率が高くボラティリティも大きいですが長期成長力に優れます。

 

Q6. 日本株(日経平均)と比べるとどうでしたか?


日経平均は2000年以降低迷が続きましたが、NASDAQは長期的に右肩上がりで成長し、結果的に大きな差が生まれました。

 

Q7. 今後のNASDAQは再びバブルになる可能性は?


短期的な過熱感は常にあり得ますが、テクノロジー分野のイノベーションが続く限り、長期では成長を取り込める可能性が高いです。

 

Q8. 為替ヘッジをしていた方が良かったですか?


2000年から2025年にかけては円安に動いたため、ヘッジをせずに投資していた方が結果的に有利でした。

 

Q9. ITバブル崩壊後に撤退した人はどうなった?


その後のNASDAQの長期上昇を享受できず、大きな機会損失となりました。

 

Q10. 長期投資家への最大の教訓は?


短期的な熱狂や暴落に惑わされず、積立と分散を続けることが資産形成の鍵だという点です。

 

 

Tags: インデックス投資
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。