
【Meta決算】2025年Q1は純利益+35%|広告収益拡大とAIインフラ投資の裏で欧州規制が重荷に
By Staff | 2025-06-17
Category: マーケット情報
**Meta Platforms(META メタ)**は、2025年第1四半期において広告収益の増加を背景に、売上・利益ともに大きな成長を遂げました。
AI対応のインフラ投資が本格化する一方で、欧米を中心とする規制リスクやプラットフォームの社会的責任が改めて問われる局面を迎えています。
✅ 主な決算ハイライト(2025年1〜3月)
- 売上高:423億1,000万ドル(前年比 +16%)
- 純利益:166億4,000万ドル(+34.5%)
- 希薄後EPS:6.43ドル(前年 4.86ドル)
営業利益:175億5,000万ドル(+27%)
広告単価の上昇(+10%)とインプレッション増加(+5%)により、Family of Apps部門が業績をけん引しました。
✅ セグメント別の動向と課題
● Family of Apps(Facebook, Instagram等)
- 売上:419億ドル(+16%)
- 営業利益:217億7,000万ドル(+23%)
- eコマース分野が広告収益成長に最も貢献
米国・カナダ:+18%、欧州:+14%、アジア太平洋:+13%、その他地域:+20%
● Reality Labs(AR/VR事業)
- 売上:4億1,200万ドル(-6%)
- 営業損失:42億1,000万ドル(前年より損失拡大)
メタバース領域での収益化の道筋は依然不透明
✅ 投資・資本政策・財務状況
- 設備投資:136億9,000万ドル(主にサーバー・ネットワーク)
- 現金・有価証券合計:702億3,000万ドル
- 現金等:287億5,000万ドル(前年末から減少)
- 有価証券:414億8,000万ドル(増加)
- 自社株買い:134億ドル分(1,900万株を買戻し)
配当:1株あたり0.525ドル(合計13億3,000万ドルを支払い)
インフラ投資を強化しつつも、株主還元も継続しています。
✅ ユーザーメトリクスと広告効率
- DAU(Daily Active People):34.3億人(+6%)
- ARPP(1人当たり平均収益):12.36ドル(+10%)
- ほぼすべてのユーザーがモバイル経由でサービス利用中
一部の「違反アカウント」の存在も報告(世界全体の3%未満)
✅ 法務・規制リスクが拡大中
● 欧州規制(GDPR、DSA、DMAなど)
- 「広告なしサブスクリプションモデル」はEUのデジタル市場法に違反と判断
2025年Q3以降、欧州市場における広告ビジネスの悪影響が予想され、業績に影響が出る可能性大
● 米国における独禁法訴訟
- FTCとの訴訟が4月に開始。InstagramとWhatsAppの分離命令が焦点
- 憲法訴訟も係属中
米英でのクラスアクションが継続し、一部訴訟では証券法違反も争点に
● プライバシー・未成年保護・広告精度
- GDPR違反による12億ユーロの罰金と是正命令
- App/OSの追跡制限(Apple、Google)により広告ターゲティング精度が低下
メンタルヘルスへの影響に関する調査が世界各国で進行中
✅ 今後の展望と成長戦略
Metaは、AI対応のインフラ強化・広告精度の改善・アプリ群の利用促進によって、収益成長を継続。サーバーやネットワークへの投資も加速しており、生成AI時代への備えを進めています。
一方で、欧州中心の規制変更、データ利用制限、独禁訴訟などのリスクがビジネスモデルに直接影響する可能性があり、今後は**"テクノロジー+ガバナンス"の総合力**が問われる局面に入っています。
マーケット概況
最新記事
カテゴリー
タグ
個別株 ETF 基礎知識 インデックス投資 成長株 配当株 米国債 PLTR NVDA AMZN AVGO MSFT META AAPL GOOGL TSLA NFLX UNH GS AMD COIN IBM INTC OKLO IONQ
投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。