
ベンジャミン・グレアムのMr. Marketから学ぶ投資家の心構え
By Staff | 2025-08-15
Category: 投資の基礎知識
ベンジャミン・グレアムの著書『賢明なる投資家』には、投資家なら一度は聞いたことのあるキャラクター「Mr. Market」が登場します。
これは単なる物語ではなく、市場心理を理解し、感情に振り回されないための強力な比喩です。
この記事では、Mr. Marketの物語を株式版と「家の価格」版の2つの視点で紹介し、そこから学べる投資家の心構えを解説します。
Mr. Marketのたとえ話(株式版)
想像してください。あなたには株式投資のパートナーがいて、その人物がMr. Marketです。
Mr. Marketは毎日、あなたに株式を売ったり買ったりするための価格を提示します。
- 気分が良い日は非常に高い価格を提示
- 気分が沈んでいる日は異常に安い価格を提示
- 価格は日々大きく変わるが、あなたは必ず取引する義務はない
この物語が示すのは、市場の価格は常に合理的ではなく、感情によって大きく変動するという事実です。
投資家は、この価格の波に無理に合わせる必要はありません。
Mr. Marketのたとえ話(家の価格版)
株式の話がピンと来ない場合、家に置き換えて考えてみましょう。
ある日からMr. Marketが毎日あなたの家を訪ねてきて、こう言います。
- 「今日はあなたの家を1億円で買いたい」
- 翌日は「今日は5,000万円でしか買えない」
その価格はMr. Marketの気分次第で変わります。
あなたは提示された価格で売る必要はなく、納得できる時だけ行動すればよいのです。
このたとえは、価格が常に本質的価値を反映しているわけではないことを直感的に理解させてくれます。
心構え①:市場の感情に振り回されない
- 株価や不動産価格は短期的には感情やニュースで大きく変わる
- 投資判断の軸は「価格」ではなく「価値」に置くべき
- 冷静に企業価値や資産価値を評価する習慣を持つ
心構え②:無理に取引しない
Mr. Marketが毎日価格を提示しても、それに応じる必要はありません。
- 割安なときに買い、割高なときに売る
- 市場が過熱しているときは静観する
- 機会を選ぶことが長期的リターンを高める
心構え③:長期的視野を持つ
Mr. Marketは助言者であり、命令者ではありません。
短期の価格変動に振り回されず、長期的な価値成長を見据えて行動することが大切です。
- 配当や利益の一貫性を重視
- 下落局面でも焦らない忍耐力
- 定期的なポートフォリオの見直し
現代投資での応用
Mr. Marketの物語は株式だけでなく、不動産、ETF、さらには暗号資産にも応用できます。
特にSNSや速報ニュースで市場が過剰反応する現代では、この比喩がさらに重要です。
データと価値評価に基づいた意思決定が、感情的な投資を防ぎます。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。