
【Microsoft決算】2025年Q1は純利益+18%|クラウドとAI強化でEPS3.46ドル達成
By Staff | 2025-06-17
Category: マーケット情報
米テクノロジー大手**Microsoft(マイクロソフト)**が2025年第1四半期(会計年度Q3)の決算を発表しました。
クラウド関連サービスが業績をけん引し、AIインフラへの戦略的投資も継続。
一方で、サイバー攻撃や規制対応に関するリスクも浮上しています。
✅ 主な決算ハイライト(2025年1〜3月)
- 売上高:700億6,600万ドル(前年比 +13%)
- 営業利益:320億ドル(+16%)
- 純利益:258億2,400万ドル(+18%)
- 1株あたり利益(EPS・希薄後):3.46ドル(前年 2.94ドル)
サービス収益構成:全体の約78%がサービス・その他収益に
製品売上が減少する一方、クラウドやサブスクリプション型サービスの成長が明確に示されています。
✅ セグメント別の業績と動向
● Intelligent Cloud(インテリジェントクラウド)
- 売上:267億5,100万ドル(+21%)
- 営業利益:110億9,500万ドル(+17%)
Azureを中心とするクラウドサービスの需要が依然強く、マイクロソフトの成長エンジンとして機能。
● Productivity and Business Processes(ビジネス・生産性)
- 売上:299億4,400万ドル(+10%)
- 営業利益:173億7,900万ドル(+15%)
Office 365やLinkedInの収益貢献が継続。
● More Personal Computing(個人向け)
- 売上:133億7,100万ドル(+1%)
- 営業利益:35億2,600万ドル(+21%)
収益成長は控えめながら、利益率の改善が顕著。SurfaceやWindows関連の改善が要因とみられる。
✅ 財務体質と資本戦略
- 現金および短期投資:796億ドル(2024年6月末比 増加)
- 営業キャッシュフロー:935億ドル(9ヶ月累計)
- 自社株買い:98億ドル(9ヶ月間で2,300万株を買い戻し)
配当:184億ドル(前年同期比 +11%)、1株あたり0.83ドル
2024年9月に承認された600億ドルの新規株式買戻し枠も控えており、今後の還元余力は大きいと見られます。
✅ 投資計画と成長戦略
- AIとクラウドに重点投資:今後もAIインフラとクラウド関連設備への投資を継続的に拡大予定。
Inflection AIとの契約:Reid Hoffman氏が関与するAIスタートアップとの戦略的ライセンス契約を締結。AI分野での連携が期待される。
また、データセンター関連リースも活発で、2030年までに開始予定のリース契約額は948億ドルに上ります。
✅ サイバー攻撃・規制などのリスク
- サイバー攻撃の継続的脅威:国家レベルの攻撃も含む深刻なリスクが継続中。2023年にはメールアカウントとソースコードの一部に不正アクセスあり。
- 反トラスト法とEU規制:WindowsやLinkedInはEUデジタル市場法の対象に指定。自己優遇やデータ利用制限など新たな規制が課せられています。
- 知財関連リスク(AI含む):AIの学習や出力に関して著作権侵害の訴訟リスクが増加。再設計や損害賠償のリスクも。
経済環境の変動リスク:米国債への投資比率が高く、金利変動や信用格下げの影響も考慮が必要。
✅ 今後の注目ポイントと戦略的焦点
マイクロソフトは、クラウドとAIにおけるプレゼンスを武器に、サービス主導型の成長を継続中。
安定した財務基盤とキャッシュフローを活かし、株主還元と成長投資を両立する姿勢を強調しています。
一方で、セキュリティ・法規制・競合環境などの複合的リスクも依然として高く、今後の成長軌道を見極める上で注視が必要です。
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「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。