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NYSE Compositeとは?米国市場全体を映す指数と投資家の注目ポイント

By Staff | 2025-08-16

Category: インデックス投資

米国株式市場には数多くの株価指数が存在します。

 

その中でも「S&P500」や「NASDAQ Composite」は日本でも有名ですが、実は米国市場全体をより広範囲に映し出す指数が 「NYSE Composite(ニューヨーク証券取引所総合指数)」 です。

 

この指数は 約2,000銘柄以上 を含み、米国市場の大型株から小型株、さらには外国企業のADRまで幅広くカバーしています。


つまり、NYSE Compositeを見ることで「米国株市場全体の健康度」を把握することが可能になります。

 


 

NYSE Compositeの基本概要

 

NYSE Composite Indexは1966年に算出が始まりました。

 

ニューヨーク証券取引所に上場しているすべての普通株を対象とし、時価総額加重平均で構成されています。

 

  • 算出開始:1966年
  • 構成銘柄数:約2,000社以上
  • 対象範囲:米国企業+外国企業ADR
  • 算出方法:時価総額加重型

 

この指数は「S&P500」よりも対象範囲が広いため、米国市場全体の動きを映す指標として注目されています。

 


 

他の主要指数との比較

 

S&P500との違い

 

  • S&P500は「大型株500社」に絞られた代表的指数
  • NYSE Compositeは「小型株やADRを含む2,000銘柄以上」
  • そのため、S&P500よりも市場全体の動きを反映

 

NASDAQ Compositeとの違い

 

  • NASDAQはテクノロジー株の比率が高く偏りがある
  • NYSE Compositeは金融、エネルギー、ヘルスケアなどを含み、よりバランスの取れたセクター構成

 

Russell 3000との違い

 

  • Russell 3000は米国株式市場の約98%をカバー
  • NYSE Compositeは上場市場(NYSE)に限定されるが、外国企業も含むユニークな特徴 がある

 


 

NYSE Compositeのセクター構成

 

この指数のもう一つの特徴は、セクターのバランスです。

 

  • 金融:NYSEに強い伝統的セクター
  • エネルギー:石油・ガス関連企業が多い
  • テクノロジー:近年は成長セクターとして比率増加
  • ヘルスケア・製薬:世界的に影響力のある企業が多数
  • 消費関連:一般消費財から生活必需品まで幅広い

 

特にS&P500やNASDAQに比べると、金融・エネルギー比率が高い のがNYSE Compositeの特徴です。

 


 

過去のパフォーマンスと市場動向

 

NYSC Compositeのリターンは、長期的にはS&P500やNASDAQと似た動きをしますが、細部では差があります。

 

  • リーマンショック時(2008年):大幅下落しつつも金融株比率の高さから影響が大きかった
  • コロナショック(2020年):世界的下落に連動、ただしテクノロジー株比率が低いためNASDAQほどの回復力は弱かった
  • 近年の動き:S&P500とほぼ同じトレンドだが、セクター構成の違いで短期的な差異が出る

 

つまり、NYSE Compositeは「米国市場全体の動向を映す指標」として使えるが、投資対象としては直接的なETFが少ないため、あくまで「市場健康度チェック用」としての役割が大きいです。

 


 

投資家にとっての活用法

 

NYSE Compositeに直接投資できる商品は限られています。しかし、以下のような使い方が可能です。

 

  • 市場全体の把握に利用

     

    • 米国市場全体の上昇・下落をチェックする指標

       

  • ベンチマークとして利用

     

    • 個別株やポートフォリオのパフォーマンスを比較する基準

       

  • 間接的に活用

     

    • S&P500やRussell 3000のETFと併せて、市場全体のトレンドを判断

     

投資対象としてはS&P500やNASDAQ ETFの方が実用的ですが、NYSE Compositeは補助的な指標として役立ちます。

 


 

メリットと注意点

 

メリット

 

  • 約2,000銘柄を含み、市場全体の健康度を把握できる
  • 外国企業ADRを含むため、グローバルな視点が持てる
  • セクターの偏りが少なく、S&P500よりも広範囲をカバー

 

注意点

 

  • S&P500やNASDAQに比べると知名度が低い
  • 直接投資できるETFや投資信託が少ない
  • 情報量も限られるため、実際の投資判断では補助的な利用に留まる

 


 

まとめ

 

NYSE Compositeは、ニューヨーク証券取引所に上場する約2,000社をカバーする包括的な指数です。


S&P500やNASDAQに比べると知名度は低いものの、米国株式市場全体の動向を測るうえで重要なベンチマーク です。

 

日本の投資家にとっても、直接投資するよりは「市場全体の温度計」として活用する価値が高いといえるでしょう。


S&P500やNASDAQだけでなく、NYSE Compositeもチェックすることで、より立体的に米国市場を理解できます。

 

 

Tags: インデックス投資
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。