
【パランティア決算速報】2025年Q1は売上+39%・純利益2倍|政府・商業部門ともに好調
By Staff | 2025-06-17
Category: マーケット情報
アメリカのデータ解析企業 パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies Inc.) が、2025年第1四半期の決算を発表しました。
売上・利益ともに力強い成長を見せ、特に米国政府および商業部門での業績拡大が顕著でした。
✅ 主な決算ハイライト(2025年1月〜3月)
- 売上高:8億8,390万ドル(前年同期比 +39%)
- 営業利益:1億7,600万ドル(+117%)
- 純利益:2億1,770万ドル(+105%)
- 1株当たり利益(希薄後):0.08ドル(前年 0.04ドル)
営業キャッシュフロー:3億1,030万ドル(+139%)
この四半期は、パランティアが明確に「利益を伴う成長段階」に入ってきていることを示す内容でした。
✅ セグメント別パフォーマンス
● 政府向け売上:堅調に成長
政府セグメントの売上は4億8,700万ドルで、前年同期から45%増加しました。
特に米国政府との取引が好調で、3億7,300万ドル(+45%)を記録。主力製品「Gotham」は防衛、諜報、災害対応などで引き続き活用されています。
● 商業向け売上:米国を中心に加速
商業分野は3億9,690万ドル(+33%)と全体的に成長。
中でも米国商業部門は前年比+71%という驚異的な伸びを見せ、2億5,550万ドルの売上を計上しました。
産業別では製造業、医療、金融などが中心です。商業向けプラットフォーム「Foundry」の導入が加速しています。
● 地域別構成の変化
米国市場の割合は前年の64%から71%に上昇。
一方、英国は10%で変わらず、その他地域は26%から19%へとやや減少しました。
これは米国市場にリソースを集中させている戦略の反映と考えられます。
✅ 顧客基盤と契約の変化
- 顧客数:前年の554社から、769社に増加(+215社)
- 上位20顧客の平均売上:6,990万ドル(前年比 +26%)
戦略的商業契約(SCC)からの売上:前年の2,390万ドル → 今期は510万ドルに減少
戦略的商業契約(SCC)は、投資を伴う契約形態で初期の成長を支えてきましたが、今四半期では比重が低下しています。
これは、より持続的で安定した通常の商業契約へとシフトしていることを示します。
✅ 財務体質と資本政策
- 現金・現金同等物:9億9,350万ドル(前四半期比 減少)
- 有価証券:44億3,720万ドル(増加)
- 株式買戻しプログラム:最大10億ドル枠のうち、9億1,780万ドルが残存
今期の買戻し実績:2,000万ドル分(20万株)を買い戻し
営業キャッシュフローが大幅に増加しており、財務的には安定した基盤があると評価できます。
✅ リスクと今後の懸念点
以下のようなリスクが10-Q(四半期報告書)内で強調されています:
- ガバナンス構造の偏り:創業者による議決権の集中が、他の株主の影響力を制限
- 競合との価格・機能競争:大手IT企業によるバンドル販売や安値攻勢への対抗が課題
- 政府関連契約の不確実性:予算変更・契約の打ち切り・技術移転義務のリスク
- サイバーセキュリティ:機密情報を扱う企業として常に脅威にさらされる可能性
為替リスク:円、ユーロ、ポンドに対する為替変動の影響も懸念される
また、企業理念にそぐわない顧客との取引を意図的に避けているため、短期的には収益機会を逃すケースもあります。
✅ 今後の注目ポイントとまとめ
パランティアは、米国を中心とした政府・商業両分野での成長を維持しており、プロダクト面では Gotham・Foundry・Apollo の3本柱がそれぞれ異なる市場に深く浸透しています。
顧客数・売上・キャッシュフローいずれも良好で、株主還元策も積極的です。
一方で、企業統治や競合環境、マクロ経済リスクなど、投資判断時に留意すべき要素も存在します。
今後は、北米外での事業展開の強化や、より透明性の高いガバナンス体制への移行が鍵となるでしょう。
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投資忍者 プロフィール
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「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。