
株価収益率(PER / P/E Ratio)とは?米国株投資での基本と使い方
By Staff | 2025-08-14
Category: 投資の基礎知識
株式投資では「株価が高いか安いか」を判断するための指標が数多く存在します。その中でも代表的なのが**株価収益率(PER / Price Earnings Ratio)**です。
PERは、企業の株価と利益の関係を数値で示し、企業の評価や投資判断の重要な目安となります。
特に米国株投資においても頻繁に使われる指標であり、企業分析や銘柄選びの第一歩として理解しておきたい概念です。
2. PERの計算方法
PERは以下の計算式で求められます。
PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS: Earnings Per Share)
- 株価:現在の市場価格(米国株の場合はドル建て)
EPS:企業の純利益を発行済み株式数で割った値
例えば、株価が100ドルでEPSが5ドルの場合、PERは20倍となります。
米国企業のEPSは、四半期報告書(Form 10-Q)や年次報告書(Form 10-K)に記載されています。
3. PERの種類
(1)実績PER(Trailing P/E)
- 過去12か月間(TTM: Trailing Twelve Months)の実績EPSを使って計算
- 実際の業績に基づくため信頼性が高い
ただし、将来の成長性は反映されにくい
(2)予想PER(Forward P/E)
- アナリスト予想の来期EPSを使って計算
- 成長企業の将来性を評価する際に有効
予想が外れるリスクもあるため注意が必要
4. PERの目安と業種別の違い
PERは数値が高ければ割高、低ければ割安とされますが、これは単純比較できません。業種や市場環境によって適正な水準が異なるためです。
- テクノロジー企業:成長期待が高く、PERが30倍以上になることも珍しくない
公益事業(Utilities):成長が安定しており、PERは10〜15倍程度が一般的
米国株投資では、同業種内での比較や過去平均との比較が有効です。
5. PERを使うときの注意点
PERは便利な指標ですが、過信は禁物です。
- 赤字企業(EPSマイナス)はPERを計算できない
- 一時的な利益変動でPERが急変することがある
- 高PERは必ずしも割高ではなく、高い成長率を正当化する場合もある
- 低PERは必ずしも割安ではなく、業績悪化の可能性もある
成長率と合わせて分析する「PEGレシオ(PER ÷ 成長率)」の活用も有効
6. 投資判断での活用例
米国株投資では、PERを活用したスクリーニングや評価が一般的です。
- 割安株投資:同業他社や過去平均と比較し、低PERの銘柄を探す
- 成長株投資:予想PERと成長率を組み合わせて評価
スクリーニングツール活用:PERフィルターで条件に合う米国株を抽出
7. まとめ
PERは、株価と利益の関係をシンプルに示す基本指標です。
米国株投資でも非常によく使われ、初心者から上級者まで幅広く活用されています。
ただし、PERだけで判断せず、業種特性や成長率、他の財務指標と組み合わせて総合的に分析することが成功への近道です。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。