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日本人投資家にとっての米国債投資のメリットとデメリットとは?為替リスクと利回りを徹底解説

By Staff | 2025-06-16

Category: 米国債

低金利が続く日本の国債に比べ、米国債は相対的に高い利回りと安定性を備えており、魅力的な選択肢の一つとなっています。

 

しかし、為替リスクや税制の違いなど、日本人ならではの注意点も存在します。

 

本記事では、米国債の基本から、投資するメリット・デメリット、注意点まで詳しく解説します。

 


 

米国債とは?

 

米国債は、アメリカ合衆国政府が発行する国債で、世界中の投資家に「安全資産」として認識されています。

 

種類としては、以下のようなものがあります:

 

  • 短期国債(T-Bills):償還期間1年未満、利息は付かず、割引価格で購入
  • 中期国債(T-Notes):2〜10年の償還期間、半年ごとに利息支払い
  • 長期国債(T-Bonds):償還期間20年または30年、利息支払いあり
  • インフレ連動債(TIPS):インフレに連動して元本が調整される

     

米国債は信用格付けで高い評価(例:AA+)を受けており、デフォルトリスクが非常に低いとされています。

 


 

日本人投資家にとってのメリット

 

1. 日本国債よりも高い利回り

 

米国の金利は日本よりも高いため、米国債の利回りも自然と高くなります。

 

例えば、10年物の米国債は3〜5%の利回りを得られることもあり、定期預金や日本国債よりも有利です。

 

2. 資産の分散として有効

 

米ドル建ての債券を持つことで、円資産との分散効果が得られます。

 

これは、為替の変動リスクを含めたリスク分散にもなります。

 

3. 高い信用力と安全性

 

米国政府が発行しているという信用力の高さにより、相場が不安定なときでも価値が下がりにくい「安全資産」として重宝されます。

 

4. TIPSによるインフレ対策

 

米国ではインフレが進む傾向もあるため、インフレに連動して元本が上昇する「TIPS」は長期的に魅力的な選択肢です。

 


 

デメリットと注意点

 

1. 為替リスクの存在

 

米国債は基本的にドル建てで購入・償還されるため、円安・円高によって実際の受取額が変動します。

 

為替のタイミングによっては、利回りが打ち消されることもあります。

 

2. 税制の違いと手続き

 

米国債の利子にはアメリカで10%の源泉徴収があり、さらに日本でも課税対象となります(二重課税防止条約の適用で還付可能)。

 

確定申告が必要になる場合もあるため、手間がかかります。

 

3. 金利上昇による価格下落

 

市場金利が上昇すると、既発行の債券価格は下落します。

 

特に長期債の場合、この価格変動リスク(デュレーションリスク)が大きくなります。

 

4. 購入のハードル

 

一部の証券会社では、米国債の取り扱いが限られていたり、最低購入額が高めに設定されていることがあります。

 

購入の際は、取扱商品の有無や手数料などを事前に確認しましょう。

 


 

投資のポイントと戦略

 

  • 証券会社の選定:SBI証券や楽天証券など、米国債を取り扱うネット証券を活用するのが一般的です。
  • 為替の見通しを考慮:円高局面で購入し、円安時に償還を受けると為替差益も期待できます。
  • 長期分散を意識する:一括購入ではなく、期間や金利の異なる複数の債券を組み合わせることで、金利変動リスクを抑えられます。
  • 課税対応を理解しておく:確定申告や外国税額控除など、税務面での準備も重要です。

     


 

まとめ

 

米国債は、日本人投資家にとって利回りの面でも資産分散の面でも魅力ある投資先です。

 

しかし、為替変動や税制面の違いといった特有のリスクも存在します。

 

これらの点を理解した上で、自分の資産構成や投資目的に合った形で活用することが大切です。

 

 

Tags: 米国債
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。