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S&P500の過去50年リターン徹底分析|年代別リターンと驚異のトータルリターン

By Staff | 2025-08-22

Category: インデックス投資

米国株式市場の代表的な株価指数であるS&P500は、長期投資の基準となる存在です。

 

過去50年という長期スパンでのリターンを分析することは、投資戦略を考える上で大きな示唆を与えてくれます。

 

短期的な変動に振り回されがちな市場も、長期的には成長を続けてきました。その歴史を知ることは、投資を続ける強い根拠になります。

 


 

S&P500の基本的な特徴

 

S&P500は米国を代表する約500銘柄の大型株で構成され、アップルやマイクロソフト、エヌビディアなど世界的企業が含まれます。

 

時価総額加重型で算出されるため、米国経済の成長をそのまま反映します。

 

つまり、S&P500に投資することは「米国経済そのもの」に投資しているのと同義です。

 


 

過去50年の平均リターン

 

  • 名目リターン:年率およそ10〜11%
  • インフレ調整後の実質リターン:約7%前後
  • 配当再投資を含めることで数十倍の資産成長

 

1973年末に1万ドルを投資し、配当を再投資していれば、2023年末には約170万ドルに成長しました。

 

これは 50年間で+17,000%超(180倍以上) の累積リターンで、年率換算すると約10.3%になります。

 

インフレや暴落を経ても、長期投資の力を示す象徴的なデータです。

 


 

各年代ごとのリターンと特徴

 

1970年代:年率約5%

 

オイルショックと高インフレの影響で低迷。実質リターンはゼロ近くまで減少。

 

1980年代:年率約17%

 

金利低下と景気拡大で株価は急騰。株式投資の黄金期となりました。

 

1990年代:年率約18%

 

IT革命とグローバル化により史上屈指の好調期。NASDAQと共に成長。

 

2000年代:年率約−1%

 

ドットコムバブル崩壊とリーマンショックで「失われた10年」と呼ばれる停滞期。

 

2010年代:年率約13%

 

超低金利とテクノロジー株の急成長で強気相場が続きました。

 

2020年代(2020–2023):年率約11〜12%

 

コロナショックで急落したものの史上最速で回復。その後の利上げ局面でも高成長を維持。

 


 

 

暴落と回復の歴史

 

S&P500は以下のような大きな暴落を経験しました。

 

  • 1987年:ブラックマンデー
  • 2000年代初頭:ITバブル崩壊
  • 2008年:リーマンショック
  • 2020年:コロナショック

 

いずれも短期的には大幅な下落でしたが、その後は必ず回復。長期で見れば右肩上がりの成長が続いています。

 


 

S&P500の過去50年トータルリターン(配当再投資込み)

 

  • 1973年末 → 2023年末の 約50年間
  • 累積トータルリターン:約 +17,000%(=180倍以上)
  • 年率換算(CAGR):約10.3%
  • 1973年末に $10,000 を投資 → 2023年末には 約$1,700,000超 に成長
    (CAGR=年率約10.3%)

     

👉 言い換えると、1973年末に $10,000 を投資して配当を再投資していれば、2023年末には 約$1,700,000 に成長。つまり 50年で+17,000%超(180倍以上) という驚異的なリターンです。

 

各年代ごとの累積成長($10,000スタート)

 

  • 1970年代末:約 $16,000(年率約5%)
  • 1980年代末:約 $78,000(年率約17%)
  • 1990年代末:約 $456,000(年率約18%)
  • 2000年代末:約 $413,000(年率約−1%)
  • 2010年代末:約 $1,400,000(年率約13%)
  • 2023年末:約 $1,700,000(2020年代途中まで年率11〜12%)

 


 

配当再投資の効果

 

配当再投資を行うことでリターンは大幅に向上します。

 

  • 配当を受け取るだけよりも、50年でリターンは2倍以上の差
  • 複利効果が長期投資の最大の武器になる

 


 

他資産との比較

 

米国債やゴールドと比較しても、S&P500の長期成長性は際立ちます。

 

  • 債券は安定するが株式よりリターンが低い
  • ゴールドはインフレ耐性はあるが成長力は限定的
  • 不動産は一定の収益を得られるが、流動性や規模で株式に劣後

 


 

投資家への示唆

 

  1. 長期投資の重要性:暴落局面を耐えれば大きなリターンが得られる
  2. 積立投資の有効性:価格変動を平準化できる
  3. 為替リスクの考慮:日本円での投資は為替も影響するが長期では均される傾向

 


 

まとめ

 

過去50年間のS&P500は、1970年代の停滞や2000年代のマイナス期を経ても、累積+17,000%超のトータルリターン を記録しました。

 

年率約10.3%という数字は、長期的な資産形成における強力な裏付けです。

 

配当再投資と長期保有を組み合わせれば、複利の力で資産は大きく成長し続けることが証明されています。

 


 

FAQ

 

Q: S&P500は今後も10%前後のリターンが期待できる?


A: 過去実績は将来を保証するものではありませんが、米国経済の成長に連動し安定した成果を期待できます。

 

Q: 暴落時にも投資を続けるべき?


A: 歴史的に暴落後には必ず回復しており、長期で見ればプラスに寄与しています。

 

Q: 配当再投資の効果は?


A: 50年単位ではリターンが2倍以上違うこともあり、長期投資の要です。

 

Q: 為替リスクは?


A: 短期的には円高の影響でリターンが減少することもありますが、長期では均されやすいです。

 

Q: S&P500とNASDAQ100の違いは?


A: 成長性ならNASDAQ100、安定性と分散性ならS&P500が基本軸になります。

 

Tags: インデックス投資
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。