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株を買うと何を所有しているのか?将来の利益への「権利」と株価の関係をわかりやすく解説

By Staff | 2025-06-02

Category: 投資の基礎知識

「株を買ったら、自分は何を所有しているの?」

 

このシンプルな疑問は、株式投資を始めたばかりの方からよく聞かれるものです。

 

「株主になる」とは、単に **紙の株券(今は電子化)**を所有することではありません。

 

実は、**企業が将来生み出す利益(キャッシュフロー)への「比例的な権利」**を所有することを意味します。

 

この記事では、株価がどう価値づけられているのか、そして 株を買うことの本質的な意味をやさしく解説します。

 


 

1️⃣ 株を買う=企業の将来の利益への比例的な権利を買うこと

 

株は企業が発行する「株式」という証券です。

 

株主になることで、その企業の 「一部の所有者」 になります。

 

では、株主は何の価値を所有しているのでしょうか?

 

答えは:


👉 **企業が将来生み出すキャッシュフロー(現金利益)への比例的な権利**です。

 

つまり、あなたが株を1株でも保有していれば、企業全体の将来利益の 1/発行株数分 の価値を所有していることになります。

 


 

2️⃣ 株の本質的価値とは?

 

株の本質的な価値は、次のように定義されます:

 

株の本質的価値 = 企業が将来生み出すと期待されるすべてのキャッシュフローの現在価値の合計

 

ここでの 現在価値とは?

 

👉 将来得られるキャッシュは「今すぐの価値」より劣る(時間の価値)
👉 そこで、将来のキャッシュフローを「割引率」で現在価値に変換します
👉 この手法を 「割引現在価値法」 といいます

 

株価 = 割引現在価値の合計 = 企業価値が株価に反映されている

 


 

3️⃣ 株主が将来得られるキャッシュフローの具体例

 

株主として 最終的に受け取れる価値 は、次の形で現れます:

 


✅ 配当金

 

企業が利益の一部を 現金配当として株主に支払うもの。


これは **直接の収益(インカムゲイン)**になります。

 


 

✅ 自社株買い

 

企業が市場で 自社株を買い戻すことで、1株あたりの価値が上昇します。


間接的に 株主価値が向上します。

 


 

✅ ターミナルバリュー

 

企業売却や清算時の残余価値。


または企業が存続し続け、 **長期的に収益を生み出し続ける「永続価値」**も含まれます。

 


 

✅ 株式の売却益(株価上昇)

 

株価が 将来キャッシュフローの市場予想を反映して上昇した場合、
最終的に株式を売却することで **売却益(キャピタルゲイン)**が得られます。

 

👉 つまり 市場が将来キャッシュフローをどう評価しているか株価の動きに現れます。

 


 

4️⃣ ✅ 買った株の価値はこう考える

 

あなたが株を買った瞬間、


👉 **企業の将来利益の「一部を所有」**しており、


👉 それは 現在価値に割り引かれて「株価」に反映されています。

 


 

5️⃣ ただし注意点 ⚠️

 

ここで重要な点があります:

 

株を買っているのは「契約された確定的な収益(債券など)」ではない ということ。

 

  • 株価は 市場の期待値にすぎない
  • 実際の企業業績や経済環境により結果は変動する
  • 企業が 配当を減配・停止することもある
  • 株価も 期待と現実のギャップによって上下する

     

つまり:

 

👉 株価に反映されているのは 「今の市場の想定する未来」 であり、


👉 確約された将来の利益ではない という点に注意が必要です。

 


 

6️⃣ まとめ

 

株を買う = 企業が将来生み出すキャッシュフローへの比例的な権利を買うこと

✅ その価値は **割引現在価値**として株価に反映されている

✅ 将来の利益は 確約されたものではなく、市場の期待値リスクとリターンがある

✅ この考え方がわかると、なぜ株価が動くのか、どう企業価値を評価するのかがより論理的に理解できる

 


 

株価の動きを単なる「上がった・下がった」ではなく、


👉 「市場は今この企業の将来利益をこう見ているんだ」 と考えることが 投資家としての一歩目です。

 

初心者の方もぜひこの視点を意識してみましょう 📈✨。

 

 

Tags: 基礎知識
マーケット概況
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。