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【TSLA決算速報】Teslaの2025年Q2決算を解説|売上・利益は減少もロボタクシーとAIに注力

By Staff | 2025-07-27

Category: マーケット情報

2025年7月23日、米電気自動車(EV)大手Tesla, Inc.(ティッカー:TSLA)は2025年第2四半期の決算(Form 10-Q)を発表しました。

 

売上・利益ともに前年同期を下回る厳しい内容でしたが、キャッシュフローの改善やAI分野への積極投資、新規事業(ロボタクシー)展開など、将来を見据えた動きが注目されます。

 


 

✅主要業績ハイライト(前年同期比)

 

  • 売上高:225億ドル(−12%)
  • 純利益:11.7億ドル(−16%)
  • EPS(1株利益):$0.33(−18%)
  • 営業利益:9.23億ドル(−43%)
  • 営業キャッシュフロー:47億ドル(前年同期比+842百万ドル)
  • 資本的支出(CapEx):38.9億ドル(前年同期比−11.6億ドル)

     


 

🚗セグメント別の動向

 

自動車(Automotive)

 

  • 売上減少の主因:Model 3・Yの納車台数が45,000台減少、平均販売価格の低下、顧客向けインセンティブの増加
  • 規制クレジット収入:4.39億ドル(−51%)と大幅減
  • 粗利率:17.2%(前年18.5%)

     

サービス&その他(Service & Other)

 

  • 売上:30.5億ドル(+17%)
  • 成長要因:有料スーパーチャージャー、保険サービス、中古車、部品販売など

     

エネルギー(Energy Generation and Storage)

 

  • 売上:27.9億ドル(−7%)
  • 粗利率:30.3%(前年24.6%)
  • 背景:PowerwallやMegapackのコスト削減が寄与

     


 

🧠戦略と新事業

 

ロボタクシー「Cybercab」

 

  • 2025年6月にテキサス州オースティンでサービス開始
  • 自動運転技術(FSD Supervised)と連携
  • 洗車・充電・メンテ・テレオペレーション等、AIインフラへ巨額投資

     

AIと製品開発

 

  • AIとロボティクス領域にR&D費を集中(+48%)
  • 新モデル生産に向け、全工場の一時停止も実施
  • 「低価格モデル」や「新しいサービス型ビジネス」への布石

     

垂直統合とインフラ拡充

 

  • サプライチェーンの内製化、コスト削減
  • Superchargerネットワークの拡張、他社EVとの互換性も強化

     


 

⚖️主なリスクと懸念点

 

法的・規制関連

 

  • CEO報酬(2018年):デラウェア州裁判所が取り消し命令、上訴中
  • FSD/Autopilot関連訴訟:誤表示や欠陥に関する集団訴訟が継続中
  • 差別・ハラスメント:CRD・EEOCから複数の訴訟
  • 当局の調査:NHTSA、DOJ、SECなどから定期的な調査や情報請求が続く

     

経済・政策要因

 

  • 新税制「OBBBA」:EV税控除の撤廃や電池コスト増の懸念
  • インフレ、金利上昇、エネルギー価格の高騰
  • 競合の増加:新規参入企業との競争激化

     


 

📊財務面の注目点

 

  • 現金・現金等価物:367.8億ドル(+2.2億ドル)
  • 投資キャッシュフロー:46億ドル使用(前年は83億ドル)
  • 2025年のCapEx予測:90億ドル超(AI、新工場、機械設備が中心)

     


 

🔮今後の見通し

 

Teslaは、自己資金による成長の継続を掲げており、今後も自動運転やAI、サービス型ビジネスモデルへの転換を進めるとしています。

 

一方で、グローバルな経済・規制・政治リスクに引き続き注意が必要です。

 


 

✍️編集部コメント

 

2025年Q2のTesla決算は、表面的には減収減益という厳しい結果でしたが、その背景にはモデルチェンジやAI事業への積極投資といった長期視点での戦略があります。

 

ロボタクシー「Cybercab」の実運用開始や、FSDの進化は、今後の事業モデルの転換点となる可能性があります。

 

短期的な利益率の低下をどう評価するかは投資家次第ですが、中長期的な成長を重視するならば、今後のTeslaの動向から目が離せません。

 

 

Tags: 個別株 TSLA
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。