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テキサス・インスツルメンツ(TXN)の増配力|半導体株で異彩を放つ安定配当

By Staff | 2025-09-13

Category: 配当成長投資

テキサス・インスツルメンツ(TXN)は、アナログ半導体の世界的リーダーでありながら、安定した配当と高い増配力を持つ点で注目されている銘柄です。

 

一般的に半導体株は景気変動に左右されやすいイメージがありますが、TXNは堅実なビジネスモデルと強力なキャッシュフローに支えられ、20年近く連続で増配を続けてきました。

 

本記事ではその配当実績と背景、今後の展望を詳しく見ていきます。

 


 

企業概要とビジネスモデル

 

テキサス・インスツルメンツの強みは、アナログ半導体と組み込みプロセッサに特化した事業構造にあります。

 

アナログ半導体は製品寿命が長く、設計変更も頻繁ではないため、需要が安定しやすいのが特徴です。

 

主要な顧客分野は自動車、産業機器、通信インフラなど。これらは長期的な需要が見込める分野であり、特に電動化やIoTの拡大に伴い、今後も成長が期待されます。

 

また、自社で製造拠点を持つことで供給安定性を確保し、高い利益率を維持できる点も強みです。

 


 

配当の歴史と実績

 

テキサス・インスツルメンツは2004年に配当を導入し、その後一度も減配することなく増配を続けています。

 

  • 2014年の年間配当は1株あたり約1.20ドル
  • 2024年には約5.20ドルと、10年間で約4倍以上に成長
  • 直近の配当利回りは約3%前後と、半導体銘柄の中では高水準

 

利回りと増配率の両立を実現している点が、配当成長株としての魅力を高めています。

 


 

増配力を支える背景

 

なぜTXNはこれほど長期にわたって増配できるのか。その背景には強固なキャッシュフローと高収益性があります。

 

  • 営業利益率は40%以上と業界でも突出した水準
  • フリーキャッシュフローの80%以上を株主還元に活用
  • 成熟した事業モデルにより、収益が安定しやすい

 

配当性向はおおむね60%前後で、無理のない範囲で還元を継続できています。

 


 

自社株買いとのバランス

 

TXNは配当に加え、自社株買いも積極的に行っています。

 

株主還元の基本方針は「配当+自社株買い」で、キャッシュフローの大部分を株主に還元する姿勢を明確にしています。

 

この戦略によって発行株式数は減少し、EPS(1株利益)が押し上げられることで株価上昇にもつながっています。

 

長期投資家にとっては配当と株価上昇の両方からリターンを得られるのが大きな魅力です。

 


 

リターン実績と投資成果

 

過去10年間のリターンを見ても、TXNは優秀な成果を残しています。

 

  • 配当再投資込みのトータルリターンは年率約15%前後
  • 同期間のS&P500を上回る成績を記録
  • 2014年に1万ドルを投資し配当を再投資していた場合、2024年には約4万ドル超に成長

 

安定した増配と株価上昇が相まって、投資家に高い成果をもたらしてきました。

 


 

投資家にとってのメリット

 

TXN株を保有するメリットは多岐にわたります。

 

  • 配当が年々増えていく「増配株」としての魅力
  • 半導体需要拡大を背景とした成長余地
  • アナログ半導体特有の安定した収益構造
  • 配当と株価上昇を組み合わせた長期的リターンの獲得

 


 

リスクと留意点

 

もちろんリスクも存在します。

 

  • 半導体市況の変動による短期的業績悪化
  • 自動車・産業分野への依存度が高く、景気後退時には影響を受けやすい
  • 配当性向が高まりすぎると増配余地が制限されるリスク
  • 新興国市場での競合や技術革新によるシェア変動

 

投資判断にあたっては、これらのリスクを理解した上で長期目線を持つことが重要です。

 


 

今後の展望とまとめ

 

テキサス・インスツルメンツ(TXN)は、20年近く連続で増配を続ける半導体株として特異な存在です。

 

配当は過去10年で4倍以上に増え、利回りも3%前後を維持。

 

アナログ半導体の安定性と強力なキャッシュフローを背景に、今後も高い増配余地が期待されます。

 

インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙える「増配力のある半導体株」として、ポートフォリオに組み入れる価値は十分にあるといえるでしょう。

 


 

FAQ

 

Q1. テキサス・インスツルメンツの現在の配当利回りはどのくらいですか?


直近では約3%前後で推移しています。半導体株の中では比較的高水準で、インカム投資の観点からも魅力的です。

 

Q2. これまでに減配したことはありますか?


2004年に配当を導入して以来、一度も減配はありません。景気後退期でも配当を維持し、連続増配を続けています。

 

Q3. 配当性向はどの程度ですか?


直近では60%前後で、フリーキャッシュフローを活用した無理のない水準です。利益の範囲内で株主還元を行っているため、持続性は高いといえます。

 

Q4. なぜTXNは増配を続けられるのですか?


アナログ半導体の安定した需要、製品寿命の長さ、高い営業利益率が背景にあります。さらに、自社工場による生産体制で安定供給と高収益を確保している点も大きいです。

 

Q5. 自社株買いはどのくらい行っていますか?


配当と並んで積極的に実施しており、年間で数十億ドル規模の自社株買いを継続しています。これによりEPSを押し上げ、株主価値の向上につなげています。

 

Q6. 配当と自社株買いの比率はどちらが大きいですか?


総還元の中では自社株買いの比率がやや大きいですが、配当も年々増やしています。両者をバランスよく組み合わせるのがTXNの基本方針です。

 

Q7. 長期的なリターンはどのくらいですか?


過去10年間のトータルリターン(配当再投資込み)は年率約15%前後で、S&P500を上回る成果を示しています。2014年に1万ドルを投資していれば、2024年には4万ドル超に成長しています。

 

Q8. 半導体市況の変動は配当に影響しますか?


短期的には業績に影響がありますが、TXNは景気に左右されにくいアナログ半導体中心のため、市況が悪化しても配当を維持してきました。

 

Q9. 将来的な増配余地はありますか?


はい。キャッシュフロー創出力が強く、配当性向にもまだ余裕があるため、今後も年率5〜10%程度の増配が期待できると考えられます。

 

Q10. どの分野の需要が今後の成長を支えますか?


自動車の電動化・自動運転化、産業機器のデジタル化、IoTや再生可能エネルギー関連の需要拡大が大きな成長ドライバーになると見られます。

 

Q11. TXN株は高配当株と考えてよいですか?


利回りは約3%で米国株としては中程度ですが、増配率が高いため「増配株」として評価されることが多いです。安定性と成長性を兼ね備えたハイブリッド銘柄といえるでしょう。

 

Q12. 日本の証券会社からTXN株を購入できますか?


SBI証券や楽天証券など主要なネット証券を通じて取引可能です。配当は米ドルで支払われるため、為替リスクや取引手数料の確認が必要です。

 

 

Tags: 配当株 TXN
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。