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VOO・IVV・SPYはどんな投資家に向いているか?取引スタイル別の選び方

By Staff | 2025-10-12

Category: インデックス投資

S&P500に連動するETFの中でも、VOO・IVV・SPYは定番の3銘柄として広く知られています。

 

どれも同じ指数をベンチマークとしており、リターンに大きな差はありません。


しかし、よく見ると取引コストや流動性、運用構造などに細かな違いがあり、投資スタイルによって向き不向きがあります。

 

短期で売買を行うのか、長期で積立てるのか、またどんな口座で運用するのかによって、最適なETFは変わります。

 

本記事では、それぞれのETFがどのような投資家に合うのかを整理し、自分に合った選び方を解説します。

 


 

短期売買・高流動性重視ならSPY

 

 

SPY(SPDR S&P500 ETF)は、世界で最も取引量の多いETFとして知られています。

 

1日の平均売買代金は数兆円規模に達し、VOOやIVVを大きく上回ります。


そのためスプレッド(売買価格の差)が非常に狭く、約0.01ドル前後という高い流動性を誇ります。

 

成立スピードも速く、短期売買やデイトレード、または先物やオプションのヘッジ目的で使う投資家にとって理想的なETFです。

 

ただし経費率は0.0945%と、他の2銘柄に比べてやや高めです。

 

長期で保有する場合、このコスト差は徐々に効いてきます。

 

したがってSPYは、流動性とスピードを最優先するトレーダー向けのETFといえるでしょう。

 


 

長期積立・コスト重視ならVOO

 

 

VOO(Vanguard S&P500 ETF)は、経費率0.03%という超低コストが最大の特徴です。

 

Vanguard独自の効率的な信託構造によって運用コストが抑えられており、長期で積み立てるほどこの差が効いてきます。

 

NISAや特定口座での長期積立に利用する人や、低コストかつシンプルな運用を重視する人にとってVOOは理想的な選択肢です。

 

配当を再投資しながら複利効果を狙う長期投資家との相性も良く、資産形成を地道に進めたい人に向いています。

 

ファンド規模も非常に大きく、2024年時点で総資産は4000億ドルを超えます。

 

長期投資の中心銘柄として安心感があり、王道のS&P500 ETFとしての地位を確立しています。

 


 

安定運用と貸株収益も狙うならIVV

 

 

IVV(iShares Core S&P500 ETF)もVOOと同様に経費率は0.03%です。

 

ただしIVVには、貸株収益を投資家に還元する仕組みがあります。

 

これにより、わずかではありますが分配金が上乗せされることがあり、同期間のパフォーマンスでVOOを上回る年もあります。

 

運用元は世界最大の資産運用会社であるBlackRockであり、安定性の高さは折り紙付きです。

 

長期での安定運用を重視する人、あるいはVanguard以外のETFをポートフォリオに加えたい人にはIVVが向いているでしょう。

 


 

取引環境や目的によっても選び方は変わる

 

 

ETF選びは単に「どの会社が運用しているか」だけでなく、投資家自身の運用目的によっても変わります。


たとえば、為替手数料や売買手数料は証券会社によって異なり、取引回数が多い人ほどスプレッドと手数料の影響を受けやすくなります。こうした場合、スプレッドが最も狭いSPYが有利になります。

 

一方で、NISA口座で長期運用を行う場合はVOOやIVVが一般的な選択肢です。


一部の証券会社ではSPYの買付が対象外となることがあるため、NISAで積立を行うならVOOまたはIVVが現実的です。

 

また、配当の扱いもETF選びの考慮点になります。

 

ドルで受け取った配当をそのまま再投資して複利効果を高めたい人は、低コストのVOOやIVVが向いています。


反対に、短期的な売買や為替の動きを意識しながらキャッシュフローを管理したい人は、流動性が高く即時性のあるSPYを使う選択もあり得ます。

 

 


 

まとめ:3つのETFはいずれも信頼できる、違いは「使い方」と「安心感」

 

 

VOO・IVV・SPYはいずれもS&P500に連動し、リターンの差はごくわずかです。


短期トレードや高頻度取引を重視するならSPY、長期積立とコスト効率を重視するならVOO、安定性と貸株収益の恩恵を得たいならIVVが適しています。

 

それぞれ運用会社の特徴にも個性があります。


VOOはVanguardの「長期・低コスト運用」という理念を体現し、シンプルで王道の投資を志向する人に向いています。


IVVはBlackRockの堅実なマネジメントと安定性が魅力で、落ち着いた長期運用を好む投資家に選ばれています。


SPYは世界最古のETFとして30年以上の実績を誇り、圧倒的な流動性からトレーダーや機関投資家に広く支持されています。

 

いずれを選んでも運用面での信頼性は非常に高く、S&P500の成長を享受できる点に変わりはありません。


最終的には、自分がストレスなく持ち続けられると思えるETFを選ぶことが、長期投資を成功へ導く最も確実な方法です。

 

自分の投資スタイルに合ったETFを把握したうえで、VOO・IVV・SPYそれぞれの特徴をもう一度整理しておくと判断がより明確になります。


詳しくは、以下の記事で3つのETFを横断的に比較し、最適な選び方を解説しています。


S&P500に投資するならどのETF?VOO・IVV・SPY徹底比較ガイド

 


 

FAQ

 

Q1:SPYを長期保有しても問題ないですか?


保有は可能ですが、経費率が高いため長期ではVOOやIVVの方が有利です。

 

Q2:VOOとIVVはどちらを選ぶべき?


どちらもほぼ同じです。IVVは貸株収益を投資家に還元する仕組みを持ち、VOOはそれがない分、よりシンプルで低コストな運用が特徴です。

 

Q3:NISAではどのETFを買うのがよい?


NISAでの長期運用には、低コストで積立向きのVOOまたはIVVが最適です。

 

Tags: インデックス投資

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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。