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CRSP US Total Market Indexとは?VTIで投資できる米国株式市場全体の魅力

By Staff | 2025-08-19

Category: インデックス投資

米国株投資というと、多くの日本人投資家が真っ先に思い浮かべるのは「S&P500」や「NASDAQ100」でしょう。

 

確かにこれらは非常に有名な指数ですが、実は米国株式市場全体を網羅したさらに包括的な指数が存在します。

 

それが CRSP US Total Market Index(CRSP米国総合指数) です。

 

本記事では、この指数の特徴やメリット、日本の投資家がどのように活用できるかを詳しく解説します。

 


 

CRSP US Total Market Indexの基本概要

 

まず、この指数を算出している CRSP(Center for Research in Security Prices) について触れておきましょう。

 

CRSPはシカゴ大学ブース経営大学院に属する研究機関で、1960年代から株価データベースを構築し、金融市場の分析や学術研究に大きく貢献してきました。

 

米国株式市場全体をカバーする指数として信頼性が高く、多くのファンドやETFに採用されています。

 

CRSP US Total Market Index は、その名の通り米国の株式市場全体を対象とした時価総額加重型の株価指数です。

 

  • 構成銘柄数はおよそ 4,000社以上 にのぼり、米国上場企業のほぼ全てをカバー
  • 米国市場の 約99%の時価総額 を含むため、「市場全体の姿」を正確に反映
  • 大型株(Apple、Microsoft、NVIDIAなど)から中小型株まで幅広く組み込まれている

 

この指数の大きな特徴は「時価総額加重型」である点です。

 

つまり、株価と発行済株式数を掛け合わせた時価総額が大きい企業ほど指数への影響力が強くなります。

 

そのため、AppleやMicrosoftのような巨大企業が指数の動きを主導する一方で、小型株の成長も指数に反映されるというバランスが取れています。

 


 

構成銘柄とカバレッジ範囲

 

CRSP US Total Market Indexの強みは「幅広い分散性」です。

 

  • 大型株(Large Cap):米国経済を代表する企業群で、指数全体の安定性を支える
  • 中型株(Mid Cap):将来の大型株候補ともいえる成長性の高い企業が多い
  • 小型株・マイクロ株(Small & Micro Cap):市場全体のすそ野を広げ、リターンの上振れ要因となる

 

このように、単に有名企業を集めるのではなく、米国株式市場を構成するあらゆる層を網羅していることが、CRSP指数の魅力です。

 


 

他の主要指数との違い

 

日本人投資家によく知られているS&P500やNASDAQ100と比べると、以下のような違いがあります。

 

  • S&P500:米国の大型株500社に限定。リスクは低いが中小型株の成長は反映されない
  • NASDAQ100:ハイテク企業に偏重。成長性は高いが分散度が低い
  • CRSP Total Market:大型から小型までほぼすべての米国株を含み、分散度が最も広い

 

つまり、CRSPは「米国市場そのもの」を表す指数といえるでしょう。

 


 

投資手段:代表的なETF

 

CRSP US Total Market Indexに連動する代表的なETFは Vanguard Total Stock Market ETF(VTI) です。

 

VTIは世界最大級のETFの一つであり、日本の個人投資家からも人気があります。

 

  • 経費率はわずか 0.03%程度 と極めて低コスト
  • 純資産総額は数十兆円規模で、流動性も高く安心
  • 日本の主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)から購入可能

 

VTIを通じて投資することで、日本にいながら米国株式市場全体に一括投資できる点が最大の魅力です。

 


 

メリット

 

CRSP US Total Market Indexへの投資は、以下のようなメリットを持ちます。

 

  • 米国株式市場全体にまとめて投資できる
  • 個別株の値動きに左右されにくく、分散効果が高い
  • 新興企業や中小型株の成長を取り込める
  • 長期的な米国経済の成長を享受できる

 

文章としてまとめると、「S&P500ではカバーできない中小型株の可能性を取り込みつつ、長期的な安定性も確保できる」という点が魅力といえるでしょう。

 


 

注意点・デメリット

 

もちろん、注意すべき点も存在します。

 

  • 大型株に偏る:時価総額加重のため、実質的には大型株の動きが指数を主導
  • 為替リスク:円建て投資家はドル円相場の変動に影響を受ける
  • 税制上の扱い:米国ETFなので配当に10%の米国源泉徴収があり、日本課税と合わせて二重課税のリスクがある
  • 小型株のボラティリティ:市場全体に含まれるため、短期的には値動きが大きくなる可能性がある

 


 

日本人投資家にとっての活用方法

 

日本からこの指数に投資する場合、VTIを利用するのが一般的です。特に以下のような投資戦略が考えられます。

 

  • 新NISAの成長投資枠を活用した長期積立
  • S&P500 ETFとの組み合わせによるリスク分散
  • 債券ETFとの併用によるバランス型ポートフォリオ
  • 老後資金や教育資金といった長期運用に最適

 


 

まとめ

 

CRSP US Total Market Indexは、米国株式市場全体の成長を取り込むための代表的な指数です。

 

日本の投資家もVTIを通じて簡単にアクセスでき、S&P500以上に幅広い分散を享受できます。

 

長期的に米国経済の成長に乗りたい投資家にとって、非常に有力な選択肢といえるでしょう。

 


 

FAQ

 

Q1. VTIとS&P500 ETFの違いは?


A. VTIは米国株式市場全体、S&P500 ETFは大型株中心。分散度に差があります。

 

Q2. 小型株を含むメリットは?


A. 長期的に中小型株は高い成長が期待され、リターンの上振れ要因となります。

 

Q3. CRSPとRussell 3000の違いは?


A. どちらも全米をカバーしますが、採用基準が異なります。VTIはCRSPを採用しています。

 

Q4. NISA口座で投資できる?


A. 海外ETFであるVTIは新NISA成長投資枠で購入可能です。

 

 

Tags: インデックス投資
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投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。