← トップ

コロナショック時に一括投資していたら:ドルと円で見る驚きのリターン

By Staff | 2025-09-06

Category: インデックス投資

2020年2月末から3月にかけて、新型コロナの世界的拡大で株式市場はわずか1か月で30%以上下落しました。

 

長期投資家にとっては「保有を続けること」が最良の選択肢でしたが、この局面で新たに資金を投入できた投資家は、その後の急速な回復によって大きな成果を得ています。

 

本記事では、コロナショック時に一括投資をした場合の結果を、S&P500とNASDAQを対象にシミュレーションし、積立投資との違いもあわせて検証します。

 


 

コロナショックの市場インパクト

 

  • S&P500は2020年2月の3,386ポイントから3月23日には2,237ポイントへ(約-34%の下落)
  • NASDAQも同様に急落したが、その後の反発はより急速
  • VIX指数は80を超え、リーマンショック時と同等の恐怖水準に

 

短期間での急落は歴史的なものでしたが、その後の回復はさらに印象的でした。

 


 

一括投資シミュレーション(S&P500・ドル建て)

 

もし2020年3月23日の底値付近でS&P500に1万ドルを投資していたら:

 

  • 2021年末:約1万8,700ドル(+87%)
  • 2023年末:約1万9,500ドル(+95%)
  • 2025年初頭:約2万2,000ドル(+120%超)

 

同額を5万ドル投資していた場合、2025年には約11万ドル。10万ドルなら約22万ドルにまで増加していた計算です。

 


 

NASDAQに投資していた場合(ドル建て)

 

テクノロジー株が牽引したNASDAQはさらに強い回復を見せました。

 

  • 2020年3月に1万ドル投資 → 2025年には約27,000ドル(+170%)
  • 5万ドル投資 → 約13万5,000ドル
  • 10万ドル投資 → 約27万ドル

 

特にリモートワーク需要やクラウド・AI分野の成長が、NASDAQを強く押し上げました。

 


 

円建てでのリターン

 

日本の投資家にとっては為替の動きも重要です。

 

2020年3月のドル円は約110円、2025年初頭には145円前後となっています。

 

S&P500に1万ドル投資した場合:

 

  • 2020年:1万ドル ≒ 110万円
  • 2025年:2万2,000ドル × 145円 ≒ 319万円
  • 円建てリターン:約2.9倍

 

NASDAQに1万ドル投資した場合:

 

  • 2020年:110万円
  • 2025年:2万7,000ドル × 145円 ≒ 392万円
  • 円建てリターン:約3.5倍

 

為替が円安方向に進んだため、ドル建てのリターンに加えて円建てではさらに増幅された結果となりました。

 


 

一括投資のリスクとリターン

 

コロナショック時に一括投資をするには勇気が必要でした。

 

  • リスク:底値を正確に狙うのは不可能、さらに下がる恐怖がある

     

  • リターン:暴落局面で思い切って投資した人は、数年で2〜3倍の資産成長を実現

     

多くの投資家が恐怖で動けなかった一方で、行動できた人は大きな差をつけることができました。

 


 

一括投資と積立投資の比較

 

  • 一括投資は底値付近で実行できれば圧倒的な成果
  • 積立投資は暴落を「安値で買える機会」に変える仕組みで、心理的に続けやすい
  • 実際的には積立をベースにしつつ、暴落時に余剰資金で追加投資するハイブリッド戦略が有効

 


 

コロナショック後の急回復要因

 

  • FRBのゼロ金利政策と大規模な量的緩和
  • 政府による財政出動と現金給付
  • テクノロジー株の急成長(Zoom、Amazon、Microsoft、NVIDIAなど)
  • 投資資金が一気に株式市場へ流入

 

これらが史上最速の株価回復を実現しました。

 


 

まとめ

 

コロナショック時に勇気を持って一括投資をしていたら、S&P500で資産は2倍以上、NASDAQでは3倍以上に成長していました。

 

円安の追い風もあり、円建てではさらに大きな成果を手にできたことになります。

 

この事例は「暴落は恐怖であると同時に、大きなチャンスでもある」ことを改めて示しています。

 

実際には底値を正確に狙うのは不可能ですが、相場が大きく下がった局面で資金を投入できた投資家は、その後の急回復を最大限に享受できました。

 

一方で、多くの投資家は恐怖で動けず、暴落を機会として活かせなかったのも事実です。

 

その意味で、日頃から「資金の一部を暴落時に投入するルールを決めておく」ことが大切です。

 

積立投資をベースにしながら、暴落局面では余剰資金で一括投資を行うハイブリッド戦略が現実的であり、心理的にも続けやすいでしょう。

 

一括投資と積立投資をより広い視点で比較したい方は、ドルコスト平均法 vs 一括投資|メリット・デメリット徹底比較 もあわせてご覧ください。

 


 

FAQ

 

Q1. コロナショックの底値はいつでしたか?


2020年3月23日がS&P500の大底で、2月高値から約-34%下落しました。

 

Q2. 底値より少し早く投資していたらどうなりましたか?


2月末に投資していた場合でも、2025年には2倍近いリターンを得られています。

 

Q3. NASDAQに投資していた場合の結果は?


1万ドル投資で2025年には約2万7,000ドル(円換算で約392万円)、リターンは+170%以上です。

 

Q4. 為替の影響は大きいですか?


はい。ドル円は110円から145円へ円安に進み、円建てではリターンがさらに増幅しました。

 

Q5. 一括投資と積立投資、どちらが正解ですか?


どちらも有効ですが、現実的には積立をベースにしつつ暴落時に余力で一括投資を組み合わせる方法がバランスが取れています。

 

Q6. 今後も同じような暴落は起こり得ますか?


リーマンショックやコロナショックのような暴落は定期的に発生します。長期投資家にとっては備えと冷静な行動が必要です。

 

Q7. 暴落時に一括投資する勇気を持つには?


日頃から投資ルールを決めておき、「相場が30%下落したら投資する」など機械的な判断基準を持つことが有効です。

 

Tags: インデックス投資

マーケット概況
Profile Image
投資忍者 プロフィール

米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。

「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。

元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。