
株価下落時のメンタル管理法|インデックス投資で続けるための心得
By Staff | 2025-09-07
Category: インデックス投資
インデックス投資を実践していれば、必ず直面するのが「株価下落局面」です。
相場が順調なときは安心して積立を続けられますが、株価が20%、30%と下がると「もうやめた方がいいのでは」と不安になるものです。
実際、暴落時に売却してしまい、その後の回復局面に乗れなかった人も少なくありません。
大切なのは下落局面での「心の持ち方」です。
ここでは、過去の実例やシミュレーションを交えながら、下落時に冷静さを保つためのポイントを解説します。
株価下落は避けられない
株式市場は常に右肩上がりではありません。歴史的に10〜20%の調整は数年ごとに訪れています。
- 2008年リーマンショック:S&P500は1年で−38%
- 2020年コロナショック:S&P500は1か月で−34%
- 2022年の利上げ局面:S&P500は年間で−19.4%
しかし、その後を振り返ると印象は大きく変わります。
リーマンショック後の10年間でS&P500は+300%以上回復し、コロナショック後の1年間では+70%近く上昇しました。
つまり、暴落は長期投資家にとって「終わり」ではなく「通過点」にすぎません。
長期視点を持つことで冷静さを保つ
数か月単位の値動きに一喜一憂していては、心が疲れてしまいます。
むしろ10年、20年という長期スパンで市場を見ると、短期の下落は「ノイズ」に過ぎないことが分かります。
S&P500は過去50年間で年平均約10%のリターンを残しています。
下落局面は途中で何度もありましたが、それでも長期では成長を続けてきました。
ルールを事前に決める
相場が荒れると、人は感情的に判断しがちです。「もう売った方がいいのでは」と不安になるのは自然なことです。
だからこそ、平常時にルールを作っておくのが有効です。
- 「売らない」
- 「毎月の積立は必ず継続」
- 「最低でも20年は保有」
このようなルールを紙に書き出し、目につくところに貼っておくと、下落時に冷静さを取り戻す助けになります。
資産を分けて考える
投資資金と生活資金を混同すると、下落が生活不安に直結してしまいます。
半年から1年分の生活費を現金で確保し、それ以外を投資に回せば、株価が下がっても慌てて売却する必要はありません。
「この資金は20年後のため」とラベル付けしておくのも心理的に効果的です。
情報の取り方を工夫する
毎日の株価速報やSNSを見すぎると、不安ばかりが増してしまいます。
必要以上にチャートを確認せず、四半期ごとや年単位でパフォーマンスを見直す習慣を持つと気持ちが楽になります。
ネガティブな情報をシャットアウトすることも、立派なメンタル管理の方法です。
歴史的データが心を支える
下落時に本当に役立つのは、過去のデータです。
2008年:S&P500 −38% → 10年後には+300%以上に回復
2020年:S&P500 −34% → 翌年+70%の反発
こうした事実を知っていれば、「下落=危機」ではなく「下落=一時的」と冷静に捉えられるようになります。
積立を習慣にする
下落しても積立を止めずに続ければ、ドルコスト平均法によって将来的なリターンが改善します。
感情に左右されない「習慣化」が最も強力なメンタル管理です。
毎月積立を終えたら「今月も任務完了」と軽く確認する程度で十分です。
実際のシミュレーション
理屈より数字を見ると安心感が増します。
前提:初期資金100万円、月3万円積立、S&P500年平均リターン7%
- 10年後:元本460万円 → 約660万円(+200万円、リターン+43%)
- 20年後:元本820万円 → 約1,660万円(+840万円、リターン+102%)
- 30年後:元本1,180万円 → 約3,470万円(+2,290万円、リターン+194%)
このように下落を乗り越えて続ければ、複利の力で資産は大きく育ちます。
まとめ
株価下落は避けられませんが、乗り越えられるかどうかはメンタル次第です。
長期視点を持ち、ルールを事前に決め、生活資金を確保し、情報を取りすぎないこと。
こうした習慣を整えれば、不安に流されず投資を続けられます。
インデックス投資の最大の武器は「続ける力」。
下落局面を恐れずに長期的な資産形成を目指しましょう。
より包括的に、初心者が抱きやすい誤解や心理的な落とし穴を整理した内容は、投資初心者が陥りやすいインデックス投資の誤解|心理・行動ファイナンスで学ぶ教訓 で解説していますので、あわせてご覧ください。
FAQ
Q1. 株価が大きく下がったときに積立額を減らすべき?
無理のない範囲で継続することが大切です。資金繰りに余裕があるなら、むしろ継続か増額が有効です。
Q2. 暴落が来たら一度売却して現金化した方が安全?
歴史的に見ても暴落後は回復してきました。売却してしまうとその反発を逃すリスクが大きくなります。
Q3. 下落相場のときに心を落ち着ける具体的な行動は?
散歩や運動、読書など、相場から一旦離れる行動が効果的です。
Q4. 暴落後に積立を増額するのは効果的?
資金に余裕があれば有効です。安値で買える分、将来のリターンが高まります。
Q5. 新NISAでの長期積立は下落時にどう対応すればよい?
非課税枠を活かすためにも積立を続けるのが基本です。下落時に売却せず長期保有を徹底しましょう。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。