
VTI vs VOO徹底比較|選び方ガイド【リターン実績付き】
By Staff | 2025-08-20
Category: インデックス投資
米国株式に投資する投資家の中で特に人気の高いETFといえば、バンガード社が提供する「VTI」と「VOO」です。
どちらも信託報酬が0.03%と非常に低コストで、長期資産形成に適した商品として世界中の投資家から高い評価を得ています。
しかし実際に投資を始める段階になると、「どちらを選べばよいのか?」と迷う人は少なくありません。
両者は似ている部分も多いですが、構成銘柄や投資対象の広さに違いがあり、投資スタイルによって向き不向きが存在します。
本記事では両者の特徴や過去のリターン、さらに日本の投資家が注意すべきポイントまで詳しく整理していきます。
VTIとは?
- 正式名称:Vanguard Total Stock Market ETF
- 投資対象:米国株式市場ほぼ全体(約4,000銘柄)
- 特徴:大型株だけでなく、中小型株まで幅広くカバーし、米国市場全体の成長を取り込める
信託報酬:0.03%
VTIは米国株式市場全体を丸ごと保有できるETFです。
アップルやマイクロソフトといった時価総額上位の巨大企業はもちろん、知名度の低い小型株や新興企業まで含まれます。
そのため、米国経済全体の成長を幅広く享受できる点が大きな魅力です。
小型株は景気拡大局面で大きな成長を遂げることも多く、分散投資の効果を実感しやすいETFといえるでしょう。
VOOとは?
- 正式名称:Vanguard S&P 500 ETF
- 投資対象:米国の代表的な500銘柄(S&P500指数に連動)
- 特徴:米国の大型株を中心に投資するため安定感がある
- 信託報酬:0.03%
VOOは、米国株投資の代名詞ともいえるS&P500に連動するETFです。
組み入れ銘柄には、アップル、マイクロソフト、アマゾン、NVIDIAなど、誰もが知る米国の代表的な企業が並びます。
世界の機関投資家からも信頼されている指数であるため、初心者でも安心して投資できる選択肢となっています。
共通点と違い
両者はどちらも低コストで長期投資向けという点では共通しています。
しかし投資対象の範囲や分散効果に違いがあります。
- VTI:米国市場全体(約4,000銘柄)に投資でき、分散効果が高い
- VOO:米国を代表する大型株500銘柄に絞り、シンプルで分かりやすい
つまり、VTIは「幅広さ」、VOOは「安定感」と「知名度」が特徴といえます。
どちらも魅力がありますが、どのような投資スタイルを目指すかで選択が変わります。
リターン比較(過去の実績)
投資家が最も気にするのは実際の成績です。
以下は過去10年間(2014年~2024年初頭)の年率リターンを比較したデータです。
- VTI:約+11.5%
- VOO:約+11.7%
わずか0.2%の差しかなく、長期的にはほとんど同じパフォーマンスとなっています。
例えば2014年に100万円を投資して放置した場合、2024年時点での評価額はおおよそ以下のようになります。
- VTI:約297万円
- VOO:約300万円
実際の差はわずか3万円程度であり、投資判断を大きく左右するほどではありません。
つまり「どちらを選んでも長期的には大きな違いは出にくい」というのが実情です。
ただし、小型株が大きく上昇した局面ではVTIが優位になりやすく、逆に景気が不安定な局面では大型株中心のVOOの方が安定する傾向があります。
日本人投資家にとってのポイント
為替リスク:どちらも米ドル建てであり、為替の変動によって円換算の評価額は変動します。長期投資であればある程度相殺されることが多いですが、短期では円高リスクに注意が必要です。
NISA口座での投資:非課税枠を活用できるため、配当や売却益に対する日本での課税を避けられます。ただし米国での源泉徴収10%は残ります。
配当の扱い:両ETFとも四半期ごとに配当がありますが、日本の証券会社ではDRIP(配当の自動再投資)は利用できません。配当は一度現金で受け取り、再投資する場合は手動で行う必要があります。
流動性:VOOの方が世界的に有名で運用資産も大きいため、取引量や板の厚さでは有利です。
どちらを選ぶべきか?
判断基準を整理すると次のようになります。
シンプルに投資したい人 → VOO
米国株投資の王道であり、初心者にとって分かりやすい。長期で安心感を持ちやすい。より広く分散したい人 → VTI
中小型株も含めて米国経済の成長を丸ごと取り込みたい人に向いている。分散効果を最大化したい投資家におすすめ。
長期投資であれば大差はなく、どちらを選んでも十分な成果が期待できます。
結局のところ「安定とシンプルさ」を重視するか、「分散と成長余地」を重視するかで決めるのが良いでしょう。
まとめ
- VTIは米国市場全体に投資する万能型ETF
- VOOは米国大型株に絞ったシンプル型ETF
- 過去のリターン差はごくわずかで、どちらを選んでも長期では大きな違いはない
投資方針や性格に合わせて、自分に合った方を選ぶのが最適解
FAQ(よくある質問)
Q1. 初心者にはどちらがおすすめ?
A. シンプルさを重視するならVOO、分散性を求めるならVTIがおすすめです。
Q2. 配当利回りに違いはある?
A. 両者とも大差はありませんが、銘柄構成の違いによって若干変動する場合があります。
Q3. 為替ヘッジは必要?
A. 長期投資では為替変動はある程度相殺されますが、円高局面で投資を始める場合は一時的に損失が拡大する可能性もあるため、リスク許容度に応じて検討してください。
Q4. 長期的に有利なのはどちら?
A. 過去10年間ではほぼ同じ結果です。ただし、米国の小型株が力強い成長を見せる局面ではVTIが優位に立つことがあります。
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投資忍者 プロフィール
米国株の投資情報、個人投資家向けの投資戦略、米国株式投資関連情報などを配信しています。
「企業の業績と株価は長期的に統一する」という考えで、米国株の長期的投資をしています。オプション取引では短期的には市場はランダムに動くと考えて取引しています。
元米国不動産アナリスト。米国MBA保有。海外生活約25年。個人投資家兼オプショントレーダー。